シンプルだからこそ素材が引き立つ。ファクトリーブランド【YOKOI BERET】

シンプルだからこそ素材が引き立つ。ファクトリーブランド【YOKOI BERET】

諸国良品

2025/09/01

古利根川が流れる埼玉県春日部市は、かつては麦の一大産地でした。農家の副業として、麦の副産物である麦茎を使用して「麦わら真田」をつくり、海外へ輸出。その後、春日部市では麦わら真田を使った帽子づくりが始まり、最盛期には60軒ほどの帽子生産者がいたといいます。
そんな地で1943年創業した「株式会社よこい」は、麦わら帽子やウールフェルトをはじめとした学校関連の帽子製造会社としてスタートしました。現在は、制帽のほか、ウールや麻などの天然素材を主にしたファッション帽子を製造。また、関連会社では帽子のクリーニングとメンテナンスも手掛けています。

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「YOKOI BERET(よこいベレー)」は株式会社よこいから生まれた、ファクトリーブランド。国内の高品質な素材を使い、日本人の頭に合うフォルムにこだわった帽子ブランドで、2016年に誕生しました。
「目に見えないものを大事に!」をモットーに、「棚のどこをとっても同じ品質の商品づくりを心がけています」と企画・営業担当者の佐藤俊介さんは話します。

「YOKOI BERET」のベレー帽の多くは、「エクストラファインウール」と呼ばれる最高品質の羊毛が使われています。エクストラファインウールは、最高級とされる羊毛・メリノウールのなかでも特に繊維が細いのが特徴。エクストラファインウールを使ってつくられたベレー帽は、なめらかな肌触りで軽く、優れた保温性・吸湿発散性などを兼ね備えています。

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ベレー帽の品質は、羊毛の繊維に水や熱、圧力などを加えて繊維同士を絡ませ、密度を高めてふんわりとした風合いを出す「縮絨(しゅくじゅう)」という工程で決まるといわれています。「YOKOI BERET」では、小型の機械を使って縮絨を行うことで縮絨ムラをなくし、型崩れしにくい帽子に。縮絨した帽子を自然乾燥することで、より風合いの良い仕上がりを実現しています。

また、職人の手仕事による「型入れ」も重要な工程。日本人の頭の形に合わせた金型に帽子をはめて熱を加え成型していきますが、型にはめる際に引っ張らずに良い塩梅で型入れをすることで、縮まずに使っていくうちに頭に馴染む帽子ができるそうです。この型入れができる職人は、社内でも限られており、職人技が光ります。
そして、最後に毛羽立った表面をバリカンで整えて仕上げます。この「毛刈り」がきれいにできていないと、毛玉になりやすいといいます。

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「私たちは工場発のブランドなので、デザイナーはいません。シンプルだからこそ、素材が引き立つと思っています。長年帽子一筋で培ってきた製造技術を生かして、今後もかゆいところに手が届くものづくりをしていきたいですね」と佐藤さん。

上質な手触りとしっかりとしたつくりで、型崩れしにくく長く愛用できる「YOKOI BERET」の帽子。ふんわりと柔らかく、“自分の頭で育てる”帽子をぜひ体感してみてください。

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生産者紹介

  • YOKOI BERET(株式会社よこい)

    生産者名 YOKOI BERET(株式会社よこい) 詳細

    埼玉県春日部市(旧庄和町)で1943年に創業し、帽子一筋に歩んできた帽子店。現在では制帽のほか、天然素材を主としたウールや麻などの大人用ファッション帽子、また国内の紡績メーカーから仕入れた良質な国産糸を使用した帽子など幅広く製造しています。
    「アップデートした新しい時代の帽子」づくりを目指し、涼しさを実現しかつ洗える園児帽を開発。また、「毎日かぶる帽子を洗いたい」というお客さまからの要望に応えるために帽子のクリーニング専門店をつくり、帽子のクリーニングやメンテナンスにも対応しています。

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