長谷川さんが栗園を引き継いだのは2019年のこと。当時、32歳で企業勤めだった長谷川さんでしたが、おじいさんが他界したことをきっかけに、先祖代々が守り繋いできたこの土地を引き継ごうと一念発起し、新規就農を果たします。
引き継いでから長谷川さんが取り組んだのは、農薬・殺虫剤を一切使用しない栗の栽培でした。「栗は甘いので虫も付きやすいんですが、安心・安全な体に優しい栗づくりをしたくて。祖父も晩年は農薬を使っていなかったんです。農薬って撒くのも生産者にとっても負荷がかかるんですよ」
そう話す長谷川さんは、他とは違う栗づくりをしたいと肥料についてもこだわっています。樹がおいしい栗を実らせるよう、化学肥料ではなく、これまた体に優しい海と山のミネラルを豊富に含んだ肥料を使用。人間と同様、ミネラルは植物にとっても必要不可欠な栄養素で、実を甘くする効果があるんだそうです。実際、一般の栗の糖度が8~9度のところ、果じゅまる園の栗は平均10度を超えています。
農薬を使わない分、選別にも徹底的に時間をかけています。まず、当日採れた栗を選別台にかけ、ゴロゴロと転がしながら虫食いなどをはじいていきます。次いで「水選別」をして、浮いてきた栗を取り除きます。サイズごとに分ける際にも確認し、健全な栗の実を貯蔵庫へ。さらに出荷時、梱包する際にも最終選別を一粒ずつ行っています。それでも農薬を使用していないため数個程度、虫喰いが入ってしまう可能性もあることから、虫喰い保険として、数個多めに栗を入れて出荷しているそうです。
また、独自に研究した「氷蔵熟成」により、栗の甘さを最大限に引き出すことに注力しています。「どういった環境でどのぐらい貯蔵すれば、栗の糖度を最大限引き出せるか研究しまして、現状、たどり着いたベストな方法で貯蔵しています」と長谷川さんがいうように、専用の保冷庫に選別した栗を一定期間、貯蔵することで、糖度20度超えを実現。この栗は焼き栗として、なんと糖度30度超えの状態で出荷しているというから驚きです。
早生はポロたん・丹沢・出雲、中生はつくば・利平、晩生はみくり・石鎚とさまざまな品種を手掛けており、その時に採れる栗を品種混合で出荷しているので、時期により色々な味を楽しめます。
そのまま食べても良し、甘露煮、渋皮煮、マロングラッセ、栗ごはんなどにして食べるも良し。ホクホクで濃厚な栗を味わって頂けます。市場には滅多に出回らない、国産で農薬や殺虫剤を使用しない「果じゅまる園」の栗を是非ご堪能ください。