真珠養殖業者が始めた、新しい海の仕事。「無茶々園」の青のり

真珠養殖業者が始めた、新しい海の仕事。「無茶々園」の青のり

諸国良品

2026/01/01

農薬や化学肥料に頼らないでみかん作りをしていくことを目的に、1974年に明浜町(あけはまちょう)で3人の青年によって立ち上げられた「無茶々園」。“無農薬・無化学肥料栽培なんて無茶かもしれないが、無茶苦茶に頑張ってみよう”という意味を含めて命名されました。農業を主軸として「集落や町全体で気持ちよく暮らせる田舎を作りたい」というのがスタートの大きな動機だったといいます。現在の無茶々園では柑橘類を中心に、その加工品に加えて、海産物の加工や野菜の栽培も行っています。今回ご紹介するのは新しい海の仕事、青のり栽培です。

記事内画像:001 真珠養殖業者が始めた、新しい海の仕事。「無茶々園」の青のり

無茶々園のある愛媛県、特に宇和島は日本有数の「アコヤ真珠」の産地で、「愛媛方式」と呼ばれる母貝生産から真珠養殖まで一貫して行う独自のシステムと、リアス式海岸の恵まれた環境で高品質な真珠を生産しています。

そんな真珠の産地に2020年に危機が訪れました。アコヤ貝の母貝が大量斃死(へいし)してしまったのです。次の母貝の状態も不透明ななか、コロナ禍で流通が止まり、明浜の真珠産業は危機的な状態に。「このまま何もしなければ代々受け継いできた真珠産業が途絶えてしまう…」
危機感のなか行き着いたのが、青のり栽培でした。

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生産に取り組んだ「すじ青のり」は、多くが四国の四万十川や吉野川の下流で採れますが、近年は温暖化の影響で収穫量が激減しており、栽培が注目されていました。そこで真珠の生産者だった「佐藤真珠」の佐藤和文さんは、青のり栽培の研究をしている高知大学と佐藤真珠の間で共同研究契約を締結。地下海水をくみ上げ、平らなプールで青のりを育てる陸上栽培に乗り出しました。

青のりの成長に必要なものは海水と太陽の光。きれいな海が広がり、日照時間の長い穏やかな気候の明浜町は、青のり栽培にぴったりの場所だったのです。さらに陸上栽培の場合、くみ上げた地下海水の水温は安定しているので、気候や環境に左右されない栽培ができるというわけです。

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しかしながら、真珠栽培とは勝手が違い、何もかもが初めての作業です。すぐにうまくいかず、片道4時間かけ毎週のように高知大学へ通い、研究室に籠る日々。「自分は何をしているのだろうか?」と挫折しかけたこともあったと言います。それでも「増えていく青のりを見続けていたら、途中から何だか楽しくなってきて。気が付けば技術が向上していました」と佐藤さん。

青のりはすじ青のりの他に、うすば青のり、ひら青のりという種類があります。その中でもすじ青のりは糸状で、特に香りが強く、なめらかな食感、色が鮮やかな緑色になるため、3種の中で最も高級品として取り扱いされています。
「明浜の新しい海の産業づくりで手掛ける青のり。品質の良いものができたと自負しています。みなさんにも消費というかたちで参画してもらえるとうれしいです」そう佐藤さんが語る、無茶々園の青のりをぜひ食卓に並べてみてください。

参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=4w8sA9iZPs8

生産者紹介

  • 供給者画像:生産者名 株式会社地域法人無茶々園

    生産者名 株式会社地域法人無茶々園 詳細

    1974年に立ち上げられた「無茶々園」。環境破壊を伴わず、健康で安全な食べ物の生産を通して、真のエコロジカルライフを求める町作りを目指しています。柑橘類を中心に、その加工品に加えて、海産物の加工や野菜の栽培にも着手。最近では、ジュースを搾った後の柑橘の皮を活用したスキンケアコスメの開発・販売も手掛けています。故郷にしっかり根ざしながらも、未来に向かって様々なチャレンジを行っています。

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