年中みかんが実る“みかんの里”から届く、「きてら」の柑橘

年中みかんが実る“みかんの里”から届く、「きてら」の柑橘

諸国良品

2018/01/19

和歌山県中南部に位置する田辺市上秋津(かみあきつ)地区。昔からみかんと梅の里として知られてきたこの地域で、当日はまだ珍しかった直売所ができたのは平成11(1999)年のこと。地域住民の手によって地元の方言で「来てね!」を表す「きてら」という名の直売所が作られましたが、半年で倒産の危機に…。しかし、「自ら始めたのだから自ら解決するするしかない」と奮起。2006年には株式会社化し、現在では年商およそ1.5億円、年間6万人が訪れる場所になっています。

平成に入り上秋津地区には外部から人が移り住み、新旧住民の間にトラブルが増えてしまいます。そこでそれを解決するために、子ども会や消防団、PTAなど11地区の地域団体が集まって「秋津野塾」が設立されました。

しかし地域活動には活動資金が必要です。そこで直売所の構想に至ったのだとか。初めは行政に訴えたものの認めてもらえず、結局地元の有志が31人、各人10万円ずつ出資して10坪ないプレハブからスタートしたといいます。

ところが、当初は「みかんの里でみかんが売れるものか」と周囲からも言われ、すぐにはうまく行きませんでした。そんな危機を救ったのが、地元の特産品を箱詰めにしたお歳暮セットでした。地元の人がギフトに購入し、それをもらった人がリピートするようになったのです。

平成20(2008)年には地元の廃校になった旧上秋津小学校の校舎を買い取り、都市と農村地域の交流を楽しむための体験型グリーンツーリズム施設「秋津野ガルテン」をオープン。地元のお母さんたちが調理するレストラン「みかん畑」のほか、スイーツ工房兼ショップの「バレンシア畑」、みかんの歴史やいろはについて展示している「からたち」に宿泊施設も兼ね備えています。

「きてら」と「秋津野ガルテン」を運営する農業法人株式会社きてらの木村則夫さんは次のように語ります。「『きてら』と『秋津野ガルテン』が相互に影響しています。地域資源の生かし方を考えて、我々が物語を作って情報発信していかないと。今は"価値"の時代であり、"選択"の時代。地域が面白いなぁと思って、若い人に選んでもらえるように頑張りたいです」

年中みかんが実る秋津野の柑橘を味わい、機会があれば直売所「きてら」や「秋津野ガルテン」にも是非足を運んでみてください!

生産者紹介

  • 農業法人株式会社きてら

    生産者名 農業法人株式会社きてら 詳細

    地域づくりの延長線上で、地産地消地域交流の場として、農業者を中心とした地元住民の出資により、平成11年に直売所「きてら」を設立。現在約100軒の農家が賛同し、柑橘類をはじめとした農産物の販売を行っている。平成20年にはグリーンツーリズム施設「秋津野ガルテン」をオープン。事業内容ごとに住民出資による法人を設立し、補助金だけに頼らない地域づくりを進めている。