浄法寺町で200年以上にわたり農業を営んできた「馬場園芸」。かつては稲作が中心でしたが、現在は遮光ハウスを使って40種類ほどの菊を栽培しています。馬場園芸がホワイトアスパラガスづくりを始めたのは2009年のこと。9代目の馬場淳(まこと)さんが家業を継ぐにあたり、菊の栽培がない閑散期にも雇用を維持できるようにと、冬場の仕事を生み出しました。
注目したのが隣町で取り組んでいた冬期出荷のアスパラガス栽培。春から秋に露地で育てた株を11月にハウス内に移して栽培するという、手間のかかる育成法ですが、菊の遮光設備をそのまま活用して、新たな農作物を育てることに成功しました。しかも全国的にも生産量の少ない冬の時期に、新鮮なホワイトアスパラガスを出荷できるように。
温水ボイラーで温度管理をしているハウスですが、夜には5℃ほどに室温が下がるため、夜間に糖の消費が抑えられるので、一般的に市場に出回るホワイトアスパラガスよりも甘みが際立つんだとか。また、遮光ハウスの中にある二重の遮光トンネル内で栽培しているので、湿度が高く保たれジューシーな食感に仕上がるのも特徴です。
「私たちの農業の根底には食にかける想いがあります。今から約70年前までは冷害などでうまくお米が作れずお腹いっぱいにご飯を食べるということができませんでした。先祖たちが『次世代にはより豊かに食べられるように』と繋いできてくれた農業の歴史を受け継ぎ、これからも生命や風土、文化に感謝しながら故郷と農業を盛り上げていきたいですね」
そんな馬場さんたちの想いがしっかり詰まったホワイトアスパラガス。野菜の中でも収穫後の劣化が起こりやすいというアスパラガスだからこそ、採れたてで発送するフレッシュな味わいは格別です。浄法寺の畑から届ける最高の贅沢をぜひお楽しみください。