鶴渕さんは「人間も自然も、本来、持っている豊かさがあり、それを自分の中で深め、みんなとシェアしたい」と考えて、肥料も農薬も使わないことで、本来あるべき土の力と、稲の生命力が引き出される自然栽培にたどり着きました。
農業は高齢化が進み、耕作放棄地が年々増えてきているのが現状です。つるかめ農園では自然栽培・就農方法を学びたい人達へのサポートとして、農業研修生、田んぼ塾生・米作りオーナーなどの取組みを用意し、自然豊かな地域の担い手が増えることを望んでます。
田植えから、稲が育つまでの間は、他の草が出来るだけ生えないようにし、稲が心地よく育つために水位の管理が大事です。そうすることで、病気や虫に負けない元気な稲が育ちます。ですが、広い田んぼの全ての水位を把握するのは、とても大変な作業です。
そこで、近年NTT東日本さんのご協力で、田んぼに水位を測る機械を設置。そこから、アンテナ局をへて、スマートフォンで広い田んぼの水位の状態がチェックできるようになり、田んぼの状態をより詳細に知り、手をかけることが出来るようになりました。
春にはみんなで田植えをしたり、夏にはそれぞれが来られる時に連絡を取り合って、稲の間や畔の草刈りをします。そして、秋には収穫。みんなのチカラで豊かに育った実りを祝い、お米に合うおかず持ち寄ったり、餅つきなどをして、収穫祭を楽しんだりもします。
田んぼ作業だけでなく、地元の酒蔵さんと自然栽培米での酒を醸したり、仲間で集まり米麹を使った味噌や醤油つくりをしたり。これからも米つくりだけに関わらず豊かなコミュニティをみんなで作り上げていきたいと、目を輝かせる鶴渕さんです。