ぶどう有機栽培のパイオニアが手掛ける、希少なぶどう

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諸国良品

2021/07/09

「巨峰の丘」として知られる山梨県牧丘町。もともと桑と蚕、こんにゃくだけだった町の産業の行く末を憂い、1955年に巨峰栽培を開始し、この町に産業として定着させたのが「フルーツグロアー澤登」の澤登芳(かおる)さんです。澤登さんは奥さんが急性農薬中毒で倒れ、九死に一生を得るという経験を通して、農薬に頼らない栽培方に転換。「食べるものは、人間の生命を維持するもの。それに害があってはいけない」その想いを現在は芳さんの娘さん夫婦が継ぎ、栽培期間中、化学肥料や農薬を一切使用しないブドウ栽培を続けています。

「フルーツグロアー澤登」で採用しているのが、「サイドレスハウス」と命名した側面が開いている状態のハウス。ブドウと外気の温度差を利用して空気の対流を起こし、ハウス内の湿度を下げる効果があるそうです。

これはブドウの原生地、中央アジアの気候をヒントに、湿度が病害の大きな要因ということを突き止め、雨が避けられて低湿度に保てる環境を生み出したのです。さらに病気に強い系統を選別しながら品種の研究にも力を注ぎ、約10年かけてブドウの農薬不使用栽培化に成功しました。

記事内画像:001ぶどう有機栽培のパイオニアが手掛ける、希少なぶどう

「亜寒帯から熱帯まで、ブドウほど世界中で作られているフルーツはありません。しかも、それぞれの気候風土に合った品種を作っています。日本では当然、日本の気候風土に適したものを作るべき」と、「フルーツグロアー澤登」が作るのは日本固有の品種がほとんど。

そんな「フルーツグロアー澤登」のブドウの樹は、幹が細いのが特徴です。肥料をあげ過ぎたり、枝の伸ばし方や切り方によっては、樹ばかりに栄養がいって、花や実の付が悪くなるんだとか。そのため、畑には農薬も化学肥料もまかないのだといいます。

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「農業を“生命産業”として位置付けることが大切です。日本には素晴らしい気候・風土の国土があるのに、食料自給率が40%を切るのは農業がないがしろにされてきた証拠。生命を育てている産業として認識し、農業を推進していかないと日本は滅びる・・・」

芳さんの遺言を胸に、娘の早苗さんが語ります。「農業を推進していくために、消費者に生産現場のことを伝えていこうと思います。体を作り、健康でいるために食べているわけなので、たべものがどう作られているかをもっと知ってもらいたいですね」

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生産者紹介

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    生産者名 フルーツグロアー澤登 詳細

    農薬に頼らない方法によるブドウ及びキウイフルーツの栽培を行っている。夫である澤登芳英さんと共に共同代表を務める澤登早苗さんは、農学博士の称号を持つ大学教授。有機農業の実情や可能性を伝えるべく、授業の中で有機農業を実践し、食と農と環境をつなぎ、身近なところから考える、行動することの大切さを教えている。日本有機農業学会会長、やまなし有機農業連絡会議代表も務める。

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