「堀内果実園」のある五條市西吉野町では、大正末期頃から柿の植え付けが開始され、耕地を果樹畑に転換したそう。昭和49年には全国一の柿の産地を目指して、国のパイロット事業がスタート。それまで開墾が困難とされていた山や急峻地も開発され、一大果樹産地が誕生したといいます。
『柿が赤くなると医者が青くなる』ということわざがあるほど、柿には多くの体に良い成分が含まれています。しかし、昨今フルーツ離れなどの時代背景もあり、豊作の年には丹精込めて作った柿を泣く泣く山に捨ててしまうこともあったそう。
そんななか6代目の堀内俊孝さんは「くだもののおいしさをもっと伝えたい。果実園だからこそできることを…」と自ら柿を売り歩いたり、ちょうど食べ頃の完熟果実を使って加工品に仕上げたりと取り組んでいます。
そもそも柿には皮を剥いてすぐに食べられる“甘柿”と、そのままでは食べられない“渋柿”があります。“渋柿”は渋抜き処理をしてからの出荷になりますが、「堀内果実園」では昔ながらのアルコールを使った脱渋方法を採用することで、収穫から出荷までの所要日数を短縮しています。
一般的に渋抜きをすることで熟すのが早くなるそうですが、「堀内果実園」の“渋柿”はアルコール脱渋を行うことでシャキッとした歯ごたえを残したままお届けすることができ、評判を呼んでいます。
標高400メートルという広大な吉野山麓で栽培しているくだものたち。山地ならではの昼夜の寒暖差でより深みのある甘みを蓄えた柿は、お酢や野菜と共に酢の物に、またチーズと共にお酒の肴にと様々なシーンでお楽しみください。