「安全でおいしい戸馳のアボカド」を日本の食卓に届けたい!

KP001001063 | 「安全でおいしい戸馳のアボカド」を日本の食卓に届けたい!

諸国良品

2021/11/12

“森のバター”ともいわれ、栄養がたっぷりな「アボカド」。昨今はアボカド料理専門店などもあり、ファンも多い作物です。ただし、そのほとんどがメキシコやアメリカ産の輸入もの。そんななか、熊本県の宇土半島の最南端に位置する戸馳島(とばせじま)でアボカド栽培に取り組む若手農家がいます。「安全でおいしい戸馳のアボカドを、日々の食卓に届けたい!」をコンセプトに、「Tobase Labo」を立ち上げた中川裕史さんの活動をご紹介します。

熊本市内から車で約1時間、天草の入り口に位置する人口約1,200人の小さな島・戸馳島。胡蝶蘭などの洋蘭の栽培が盛んで「フラワーアイランド」とも呼ばれています。この島で生まれ育った中川さんの家業は、3代続く胡蝶蘭農家。高校卒業後に理学療法士を目指していた中川さんでしたが、自然と農業に興味を持ち、19歳から父親の手伝いを始めました。

その後、最先端の農業を学ぶために渡米。農業研修で訪れたハワイ島でアボカドと出合いました。実は世界に1000種類以上の品種があるというアボカド。品種によって、形、色、味、種の大きさなどが違い、さまざまな味を楽しむことができます。また、アボカドは樹になることから分類としてはフルーツで、フルーツのなかでは一番栄養価の高い食べ物としてギネス世界記録としても認定されています。

しかし、日本で出回っているアボカドは99%が「ハス」という種類のもので、そのほとんどが輸入品です。こうした奥深いアボカドの文化に触れ、「日本で国産アボカドを広めたい」と考えた中川さんは、帰国後地元に戻り、アボカド栽培をスタートさせました。

現在はハウス栽培で40種類以上の品種を栽培していますが、今後は日本の冬も乗り越えられ、おいしい品種に絞って、露地栽培を拡大していこうとしています。本来のアボカド栽培方法は露地栽培であり、農薬に頼らないアボカドの生産を実現できるといいます。

「この小さな島にも少子高齢化によって荒地が増えてしまっています。余った農地を再利用して雇用を増やすことも目指しています。将来的には亜熱帯食物(アボカド、パッションフルーツ、バニラビーンズ)の観光農園をオープンして、大好きな島をもっと多くに人に知ってもらいたいと思っています」そう語る中川さんの挑戦は、少しずつ実を結び始めています。

生産者紹介

  • KP001001063 | Tobase Labo・中川裕史

    Tobase Labo・中川裕史 詳細

    戸馳島出身、在住の農家。高校卒業後、理学療法士を目指すものの、家業が胡蝶蘭農家であり、農業に興味を持ち始める。最先端の農業を学ぶため渡米。日本では馴染みのないアボカド、パッションフルーツに魅了され国内栽培に挑戦することを決意。カリフォルニア州立大学デービス校農業経営短期コースを修了し、帰国。現在、40品種以上のアボカド(ハウス栽培国内シェア2位)、パッションフルーツの栽培や加工品事業を手掛ける。少子高齢化に伴う戸馳島全体を元気にしたいと、Tobase Laboを発足。