土踏まずを支えるインソール | 疲れにくい 撥水スニーカー

土踏まずを支えるインソール | 疲れにくい 撥水スニーカー

おたより/軽、快、楽。ロングセラーのひみつ

2025/06/19

肩の負担を軽くするリュック、疲れにくいスニーカー、綿100%の着心地の良い肌着……。日常がより心地良く、楽しくなる。たくさんの人にながく愛されている、無印良品のロングセラー商品はどのようにつくられ、そしてアップデートして今にいたるのか、その軌跡を探る連載。
初回は無印良品のお店ではたらくスタッフにも愛用者の多い、『疲れにくい 撥水スニーカー』について。

(取材と文・岡島みのり 撮影・吉田塩)

無印良品の疲れにくい 撥水スニーカー
疲れにくい 撥水スニーカー

土踏まずを支える設計で、疲れにくく快適な歩行をかなえるローカットスニーカー。アッパーのコットン生地に撥水加工を施し、生地が汚れにくく、手入れも簡単です。定番カラーは白、黒、黒×白ソールの3種展開。

疲れにくい歩き方へと導くインソール

無印良品の疲れにくい 撥水スニーカー

無印良品の靴を代表する定番商品として、10年以上前から、改良を重ねながら販売されている『疲れにくい スニーカー』。店頭を一日中歩き回るスタッフの中にも、このスニーカーを歴代ずっと買い替え続けているという人も少なくないそう。担当デザイナーと、現在の商品企画担当のふたりに話を聞きました。

——2013年に誕生した『疲れにくい スニーカー』。どういった経緯で作られたのでしょうか?

「もともと、コットンキャンバスのスニーカーの展開はあったのですが、“より快適に、長時間ストレスなく履ける靴をつくれないだろうか”という思いから開発が始まりました」(商品企画担当)
無印良品の疲れにくい 撥水スニーカー

——どうして、“疲れにくい”のでしょうか?

「“あおり歩行”をサポートするインソールのかたちなんです。“あおり歩行”とは、かかとの外側から着地し、小指から親指へと体重を移動させる歩き方で、これだと疲れにくいんですね。ただ人間は長時間歩いているとどうしても土踏まずが落ちてきてこの歩き方ができなくなってくる。だったらインソールで、土踏まず部分と指のつけ根部分に十分な厚みを持たせたら、自然とこの歩き方に誘導させられるし、継続もさせられるだろう、と」

——話を聞いていて、やさしい矯正、のようなことを考えました。人の歩き方やクセは千差万別だと思うのですが。

「開発はメーカーの研究機関や大学のサポートを得ながら試作を重ねました。無印良品の店舗スタッフや100人ほどのモニターに数ヶ月間履いてもらい、疲労度を測る実験を行い、そのデータをもとに再度調整を重ね、現在のインソールにたどり着いています」(デザイナー)

定番は進化する。より心地良い素材へ

無印良品の疲れにくい 撥水スニーカー

——ながく愛用してもらうために、素材を見直したこともあるのだとか。

「2013年には汚れが付きづらい撥水加工を施したモデルを、2016年にはアッパーに用いるコットンキャンバス生地をオーガニックコットンに変更したモデルが生まれました。撥水加工については、水や泥などを弾くことで汚れが目立ちにくく、お手入れしやすいというメリットがあります」(商品企画担当)
無印良品の疲れにくい 撥水スニーカー

——撥水、実は重宝してます。シューホールのハトメも、素材を見直したとか。

「主にスニーカーに用いられる金属製のハトメを、本体と同色の刺繍に変えました。見た目がよりソリッドになるだけでなく、ひもが擦れて黒くなることを防いだりと、機能的なポイントもあるんです」(デザイナー)

やさしさと、洗練をめざして

無印良品の疲れにくい 撥水スニーカー

——機能を追求すると、見た目が制限されることもあるのかな、と。

「このスニーカーは、甲高な日本人の足のかたちに合わせた、オリジナルの木型を使ってつくっています。ただ、甲高にすると、フォルムがぼってりと重たく見えがち。そこで、ステッチの位置や羽部分の厚み、ソールの高さで、すっきりとした印象に仕上げています」(デザイナー)

——たしかに、やさしい丸みがありながらも、洗練された印象です。

「極力デザインを省いたミニマルなデザインの中で、柔和さやさりげない個性を表現するために、ゆるやかなカーブを描いたトゥキャップを採用しています。また、アウトソールとアッパーをつなぐテープの幅を広くすることで、パーツの重なりによる厚みを極力抑える効果があるんです。ほんの数ミリの違いですが、印象はまったく変わります」(デザイナー)
無印良品の疲れにくい 撥水スニーカー

——カラー展開は毎シーズン変わりますか?

「基本的には白や黒など、着こなしになじむ、定番の色味に絞って展開していますが、過去にはシーズン限定のカラーを販売したこともあります。写真は、ソールに再生ラバーを使用した2023年に発売されたもので、社歴17年の無印良品スタッフの愛用品です」(商品企画担当)

日常にそっと寄り添う、快適な一足へ

無印良品の疲れにくい 撥水スニーカー

シンプルな見た目の裏側に、歩きやすさを追求した設計と細やかな工夫がつまった『疲れにくい 撥水スニーカー』。長く愛され続けてきたのは、変わらない心地良さと、気づかれないほどの改良を重ねてきたから。土踏まずや指のつけ根を支えるインソール、疲れにくさを導くアウトソールの形状、そして甲高な足にもしっくりなじむフォルム。どれも「誰にとっても快適な一足を」という思いから生まれたものです。
日常にそっと寄り添ってくれる、そんなスニーカーであり続けられればと思っています。

ReMUJI

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