暮らしのQ&A
冷えやむくみ、滞り対策に。技いらずの簡単「絹手袋マッサージ」

2026/10/07
取材・文/オカモトノブコ 撮影/高橋亜木 イラスト/minomi
ぶらふ・やよい Herbal Ayurveda Academy主宰。ヨガインストラクターとして活動する中でアーユルヴェーダと出合い、南インドでセラピー技術を修得。以後も渡印を続けながらアーユルヴェーダ講座、セラピスト養成のほか、暮らしに密着したアーユルヴェーダの魅力を発信。著書に『アーユルヴェーダの心地いい暮らし 「最近の私、いい調子!」が続く』『台所薬局 スパイス&ハーブで、心と体をセルフケア』(ともに主婦の友社)。
絹手袋でさするだけ。体の巡りを促す「ガルシャナ」
インドの伝統医学・アーユルヴェーダには、日本人でも身近に取り入れられるセルフケアがさまざまにあります。そのひとつが、絹(シルク)の手袋を使った“ガルシャナ”と呼ばれるマッサージ。

「日本にも、健康法として乾布摩擦がありますよね。これは奈良時代にインドから渡ったガルシャナが始まりと言われ、絹を使った方法は平安時代の養生書でも紹介されています」と話すブラフ弥生さん。
「ガルシャナには、体にたまった“重くて冷たい”エネルギーを取り除く働きがあると言われます。そのため、冷え性の人や、体の重だるさ、むくみ、汗をかきにくい人には特にぴったり。緊張した体のこわばりをゆるめ、リラックスへと導いてくれます」
いつでもどこでも。むくみや重だるさを手軽にケア
「ガルシャナで使う絹(シルク)は、人間の皮膚とよく似た構造を持つ18種類のアミノ酸を含みます。そのため肌あたりがやさしく、摩擦による負担を抑えながらマッサージができるんです。
ガルシャナの良さは、なんといっても「さするだけ」でどこでも手軽にできること。
「私はよく飛行機の機内にも絹手袋を持ち込んで、足のむくみ対策に活用しています。座ったままひざ下をケアするだけで、脚が驚くほど軽くなるんですよ。
シルク手袋がない場合は、自然素材であれば綿100%の手袋でも代用できます」とブラフさん。次からは、簡単に取り入れられるマッサージの基本を教えてもらいましょう。
シャッシャッとさする、技いらずの簡単マッサージ
「基本はリンパマッサージと同じように、心臓(=体の中心)」へ向かってさすること。下から上に向かうときは少し強めに、上から下へ戻るときは力を抜いて、“シャッシャッ”と音を立てるように往復させます」

「ただし、強くこすりすぎるのはNG。気持ち良く往復させ、軽やかにさするのがポイントです。お腹は時計回りに。時間に余裕があれば全身でも、手軽に取り入れるときは部分マッサージもおすすめです」
すき間時間に取り入れたい、5つの部位別セルフケア
ここからはブラフさんおすすめの、気になるパーツごとのマッサージ方法をご紹介します。日々のちょっとしたすき間時間を利用して、自分を整えるマッサージ習慣に。
① 足の甲

足の甲にある骨と骨の間を、手袋をした指先で往復しながら丁寧にさすります。冷えやすい足先も、さすることでポカポカあたたまり、重たくなりがちな足元をすっきり軽やかに整えてくれます。
② 膝下(すね・ふくらはぎ)

膝下は、重力によって巡りが特に滞りやすい部分。下から上へとさすり上げることで、すっきり軽やかに。立ち仕事やデスクワークによる足の重だるさをやわらげたいときや、長時間じっとして動かないときにもおすすめです。
③ 腕(手首〜二の腕)

手首から二の腕に向かって、まっすぐさすり上げます。日ごろの手作業や、パソコン操作などを長時間行ったあとの腕全体のリフレッシュに。
また朝の起き抜けでボーッとしているときは、寝床の中で腕をシャッシャとさすると目覚めの助けにもなります。
④ 鎖骨(中心〜肩)

体の中心から肩に向かって、やさしく流します。首や肩まわりをすっきりほぐし、顔まわりの印象まで明るくクリアに。
⑤ 肩甲骨まわり(背中上部)

手が届く範囲で、背中や肩甲骨まわりをやさしくなでます。緊張しやすい背中のこわばりが緩み、心地良くリラックスした状態へと導いてくれます。



