ゆらぎに寄り添う。養生日和
更年期以降の不調にも。あたためて潤すオイルケアのコツ

2026/01/10
取材と文・高浦彩加 撮影・藤井由依
20代の頃、心身の不調から回復する過程でアーユルヴェーダに出合い、国内のクリニックで学びながら自宅での実践をスタート。その後、より深く本質を理解したいとの思いからインドへ渡る。2013年以降は、米国クリパルセンターのアーユルヴェーダ学部にて、継続的に学びを深めている。米国NAMA認定アーユルヴェーダヘルスカウンセラー資格のほか、米国クリパルセンター公認ヨガ教師など多数のヨガ資格も取得。
インド・スリランカ発祥の約5000年の歴史をもつ伝統医学で、食事や呼吸法、マッサージ、ハーブやスパイスなどを用いながら、心と体の健康を維持・増進し、病気を予防することを目指す。アーユルヴェーダでは、人間を含め、自然界のすべてのものが「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」という3つのエネルギー(=ドーシャ)から成ると考える。3つのバランスによって一人ひとりの体質が決まり、季節やライフステージによってもそのバランスが変化する。



孤独感にもつながる、秋冬の乾燥
冷えと乾燥が深まる冬。アーユルヴェーダでは、冷、乾、軽、動といった質を持つ風のエネルギー『ヴァータ』が過剰になりやすい季節とされていて、肌や髪の乾燥だけではなく、「メンタル面にも影響する」と三浦まきこさん。
「木の葉をイメージしていただくとわかるように、新緑の季節は、細胞に十分な水分が保持されているので葉にハリがあり、うっそうとしていますが、秋〜冬は乾燥が進み、葉が枯れて落ち、隙間が増えていきます。
このことから連想されるように、乾燥はものとものとの距離を広げ、心理的には孤独感や分離感を生み出すとアーユルヴェーダでは考えるんです。何となく秋や冬になると物悲しい気持ちになるのは共感できるのではないでしょうか」
心身の乾燥、それに伴う不調をケアする強い味方がオイル。質の良いオイルは、冷えた体にじんわりとあたたかさと潤い、重たさを与え、安心感をもたらしてくれます。
特に、更年期以降はヴァータが増えやすくなるため、「40、50代以降は冬だけではなく一年を通して、オイルのケアを取り入れるのがおすすめ」と三浦さんは言います。
「アーユルヴェーダで定番のオイルマッサージはもちろん、質の良い油を食事や飲み物に積極的に取り入れることが効果的です。

蒸した野菜にオイルをかけたり、パンにつけて食べたり、コクのあるスープを日々の食事に取り入れるなど、乾燥によって生まれた隙間を満たすようなイメージで、内側から潤す食事を意識してみてください」
秋が旬のナッツ類も良質なオイルがとれるので、間食におすすめ。ただ、食べすぎるとお腹の調子に影響するので適量を。
心身を落ち着ける、効果的なオイルマッサージのコツ
オイルマッサージはセルフケアとして広く知られていますが、アーユルヴェーダ的なポイントをおさえると、冬のヴァータをケアするのに、より効果的です。
「足首から下は、冷えてかたまりやすく、ヴァータが増えやすい部位。また、外に常に開いていて刺激を受けやすい耳はヴァータと深く関わる感覚器官なので、オイルで刺激から保護し、あたためるように重点的にケアして安心感を味わいましょう。

『足首から下』と『耳』に加え『頭頂部』の3部位は最低限ケアしたい部位。時間がないときでも、この3部位は極力、オイルマッサージを実践してみてください」。
また、取り組む姿勢もポイントのひとつ。
「アーユルヴェーダでは自分に対する慈愛の気持ちを持ってセルフケアを行うことをとても大事にしています」
上手にマッサージをすることよりも、自分を労わる気持ちをのせて触れること。ほんの短い時間でも、自分を慈しむことで、体の表面だけでなく、心の乾きにも潤いをもたらしてくれるはず。
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