ゆらぎに寄り添う。養生日和
体も顔も。皮膚科医に聞く、効果的な乾燥ケアの工夫

2025/12/16
取材と文・山本加奈 撮影・藤井由依
※12月15日(月)より、ネットストアにて全商品の販売を再開しました。詳しくはこちらからご確認ください。
こばとも皮膚科院長。医学博士。同志社大学アンチエイジングセンター研究員。日本医科大学卒業後、名古屋大学皮膚科入局。博士課程在学中に米ノースウェスタン大学に留学し、帰国後クリニック勤務を経て、2024年にこばとも皮膚科開業。専門医の観点から美容に関する正しい知識の発信を行い、『すっぴん肌が好きになる 肌トラブル大全(WAVE出版)』『キレイを育てる 美肌栄養事典(主婦の友社)』など著書多数。
冬の乾燥に負けない肌へ。まず「洗いすぎ」から見直す
気温がぐっと下がり始めると、気になってくるのが肌の乾燥。今年の冬は「乾燥を招かないスキンケアの習慣」に目を向けてみましょう。
「実は、ちょっとした習慣が、乾燥を招いていることは多いのです」。そう語るのは、皮膚科医の小林智子さん。
まずチェックしたいのが、洗顔時の「お湯の温度」。熱めのお湯は、肌の表面“角層”にある天然の保湿成分を流してしまい、乾燥を招く要因になります。
「寒い時季は、湯船のお湯の温度を高く設定している方が多く、そのまま使ってしまったり、手が温まるような高めの温度で洗顔してしまう方は多いかもしれません。洗顔には、35度前後を推奨していて、手に触れたときに『少しぬるい』と感じるくらいに調整しましょう」

熱いお湯で洗い続けると、乾燥がすすみ、かゆみへつながることも。保湿成分は一度流出すると戻るのに時間がかかるので、注意が必要です。
その日のメイクに合わせた、「洗顔の塩梅」を見極める
メイクをする方にとって、ダブル洗顔の見直しは、乾燥を防ぐための大切なステップ。クレンジングと洗顔料の組み合わせによって、「しっかり洗いすぎている」か、逆に濃いメイクなのに弱いクレンジングで「汚れが落としきれていない」という、どちらかのケースに当てはまる方が多いそう。
「どちらの場合も、結果的に肌のバリア機能を低下させ、乾燥の原因になります。洗顔後、しばらく何もつけずに様子を見て、突っ張り感が出るなら乾燥している証拠。
使うアイテムを見直したり、石けんで落ちるメイクのときは洗顔のみにしたり、朝は皮脂が気になる部分のみ洗顔料を使うなど、適宜調整しましょう」
クレンジングの選び方は、オイルクレンジングが汚れを落とす力が高く最も効率的。ただし原料や質感が多様なため、自分の肌に合っていると感じられるものを選ぶことがポイント。
「オイリー肌にもニキビ肌にもオイルクレンジングはおすすめです。オイルクレンジングで刺激を感じる敏感肌は、ジェルタイプや乳液タイプを試しましょう」
洗顔については、どの肌質でも、泡洗顔でなるべく肌をこすらないことが大事。
「クレンジングでメイクやホコリ、余分な皮脂を落とした後の洗顔は、やさしくさっと。洗いすぎに注意してください。敏感肌の方は、刺激の少ない弱酸性の洗顔料を選ぶのも良いでしょう」
体の外からも中からも潤いを保つケアを
顔のみならず、手足など全身の乾燥やそれに伴う肌荒れが気になる冬。
「この時季は、乾燥によるかゆみ、赤みが出る皮脂欠乏性湿疹が腰回りや脛を中心に起きやすいです。
気になるときは、水分を蓄えるグリセリンを含むボディミルクや乳液の上から、水分の蒸発を防ぐワセリンやオイルを重ねて塗ってみてください。足し合わせることで保湿力が高まります」

乾燥予防には、内側からのケアも欠かせません。
「サーモン、ナッツ、アマニオイルに多く含まれるオメガ3脂肪酸は、乾燥予防におすすめの成分。私はキノコや野菜を併せたサーモンのオイル蒸しをよくつくります」

「オメガ3脂肪酸がしっかり摂れる私の冬の定番メニュー。手軽につくれるので、日々の食事に取り入れてみてください。」
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