ゆらぎに寄り添う。養生日和
新年を心地よく迎えるためのリセット養生

2025/12/21
取材と文・高浦彩加 撮影・藤井由依
※12月15日(月)より、ネットストアにて全商品の販売を再開しました。詳しくはこちらからご確認ください。
20代の頃、心身の不調から回復する過程でアーユルヴェーダに出合い、国内のクリニックで学びながら自宅での実践をスタート。その後、より深く本質を理解したいとの思いからインドへ渡る。2013年以降は、米国クリパルセンターのアーユルヴェーダ学部にて、継続的に学びを深めている。米国NAMA認定アーユルヴェーダヘルスカウンセラー資格のほか、米国クリパルセンター公認ヨガ教師など多数のヨガ資格も取得。
インド・スリランカ発祥の約5000年の歴史をもつ伝統医学で、食事や呼吸法、マッサージ、ハーブやスパイスなどを用いながら、心と体の健康を維持・増進し、病気を予防することを目指す。アーユルヴェーダでは、人間を含め、自然界のすべてのものが「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」という3つのエネルギー(=ドーシャ)から成ると考える。3つのバランスによって一人ひとりの体質が決まり、季節やライフステージによってもそのバランスが変化する。



情報や刺激の増加が疲れにつながる
いつもより人と会う機会が増える年末年始。久しぶりの再会に心が弾んだり、にぎやかな食卓を囲んだりと、楽しい時間が続く一方で、普段とは違う食事や場所、いろいろな人と話す中で、刺激や情報量の多さで、気づかぬうちに疲れが溜まっていることも。
「アーユルヴェーダでは、食事だけではなく、五感で受け取った情報や刺激も含め、すべてを“食べもの”と捉えます。
それらによって生じる感情などを含めて、適切に“消化”し、必要なものをエネルギーに変え、不必要なものを排出することで、健康を維持できると考えます」と三浦まきこさん。
消化する力をアグニ(消化の火)と言い、年末年始の“イレギュラー”を健やかに乗り切るためには、消化の火を安定させることがポイントです。
「冬はもともと消化力が強まる季節。しかし、移動や刺激、情報が多すぎると、ヴァータ(風)が過剰になり、消化の“火”が不安定に。すると、空腹感、満腹感の乱れ、下痢、便秘、お腹の重たさなど胃腸の不調や、精神的な疲れにもつながります。
心身を休ませ、リセットする時間を大切に
消化力をキープするためには、一人で静かに過ごして思考を整理したり、食事の間隔や量、質を調整したりすることで、刺激が立て続けに入ってこない、すきま時間をつくるのがポイント。
「外からの刺激、情報を整理するには、頭に浮かんだ思考や感情を、ありのままに紙に書き出す『ジャーナリング』がおすすめです。

パソコンやスマホではなく、筆記用具を使って書いてみてください。文字を書く“身体感覚”があるほうが、今ここに自分がいるんだという『グラウンディング』する感覚を得られ、ヴァータの不安定さを落ち着けるのに効果的です」
また、外食続きで胃腸が疲れているときには、“透明”で“シンプル”な食事をチョイスするのがコツ。

「前日の食事が重たく、朝起きたときに空腹感を感じない場合は、白湯を飲んで様子を見てお腹が空くのを待ちましょう。
ある程度、お腹が空いてきたらお粥や味噌汁、出汁の効いたスープなど、消化しやすく、胃腸にやさしいものを中心に食べはじめてみてください」
マインドも胃腸も休める時間をつくることで、風で揺らいでいた消化の火がだんだんと整っていきます。イベント続きの12月後半こそ、合間の“休み”を大切に。
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