「“お疲れさま”と言えるまで。クッキングサロンを下支えする、ふきんとスポンジ」ウー・ウェン(料理家)

「“お疲れさま”と言えるまで。クッキングサロンを下支えする、ふきんとスポンジ」(ウー・ウェン/料理家)

おたより/無印十年物語

2026/07/26

気がつけば、十年。互いの変化や年月が懐かしくもあり、これからの希望でもある。世界に二つとない、人と、ものとの物語。
今回訪ねたのは、料理家・ウー・ウェンさん。自身の名前を冠した〈ウー・ウェン クッキングサロン〉は、ただレシピを教えるだけではなく、食を通してくらしや季節との向き合い方を伝えています。30年近く通い続ける生徒も少なくないこの場所で、長年活躍しているのが、無印良品の『落ちワタ混ふきん』と『ウレタンフォーム三層スポンジ』。ウー・ウェンさんの透徹した料理哲学とともに、二つのアイテムの魅力をひもといてもらいました。
(文・浦本真梨子 写真・竹之内祐幸)
ウー・ウェン(うー・うぇん)

中国家庭料理研究家。中国・北京生まれ。1990年に来日。1997年より料理教室〈ウー・ウェン クッキングサロン〉を開講。医食同源が根づいた中国の家庭料理を中心に、体を労わる知恵に裏付けされた料理を紹介。シンプルな調味料と調理法で素材の味を最大限に引き出す料理に定評がある。東京だけでなく、2024年からは京都クラスも開催。『ウー・ウェンの迷わない食べ方』(大和書房)ほか著書多数。

東京・恵比寿にある〈ウー・ウェン クッキングサロン〉。扉を開けると、真っ白なキッチンが静かに迎えてくれる。

壁一面の棚には、蒸籠や土鍋、茶器、使い込まれた器が整然と並んでいて気持ちが良い。どれも料理教室で毎日使われる現役の道具だが、凛とした美しさが漂う。

無印良品 ウー・ウェン

器や調理道具には真っ白な布巾があちこちにふんわりとかけられ、何気ない景色までが、この空間の静けさをつくっている。
「私、キッチン周りのものは、なるべく統一したいんです。余計なノイズをなくしたいから」
そう話すウー・ウェンさんが、長年使い続けているのが、『落ちワタ混ふきん』。

無印良品 ウー・ウェン  落ちワタ混ふきん

ウーさんがこの布巾を選ぶ理由は、飾り気のない簡素な見た目だから、だけではない。

「私のクッキングサロンには一度に30人近くの生徒が集まり、全員で同じ工程を進めます。だからこそ、道具は揃っているほうが良いんです」。

無印良品 ウー・ウェン  落ちワタ混ふきん

ふきんは、ウーさんの料理に欠かせない存在。食器や野菜の水気を拭くだけではなく、小麦粉を使う料理では、生地を休ませる工程もある。そんな時、ボウルに濡れふきんを掛ける。

「環境のことを考えると、できるだけ繰り返し使えるものを選びたい。もちろんラップが必要な場面もありますが、ふきんで代用できることはたくさんありますから」

無印良品の落ちワタ混ふきん

初めてこのふきんを見つけたのは10年以上前。使っていくうちに、見た目だけでなく、よく水を吸い、乾きが抜群に速いところがさらに気に入った。

「無印良品が私のためにつくってくれたんだと思いました(笑)。12枚も入って500円もしない。無印良品大丈夫なの!? って心配になっちゃうくらいです」
料理教室では一般家庭より消耗も早い。だから、12枚入りのふきんは安心感がある。

「12枚入っているだけでもありがたいのですが、私は1セットだけ買うことはないですね。だいたい、2、3セット買って、ストックしています。ないと本当に困るから」

無印良品の落ちワタ混ふきん
引き出しの中ですっきり収まる姿も美しい。

空間の心地良さは、シンクの中にも表れている。
教室には3つのシンクがあり、その色となじむように『ウレタンフォーム三層スポンジ/グレー』がセットされている。

「3個入りだと交換のタイミングも一緒だからいいんですよ」

長年愛用している理由は、その使い勝手の良さ。中層のウレタンがきめ細かな泡を作り、上層のナイロン不織布が油汚れをしっかり落とす。さらに、気泡の大きな下層のウレタンは水切れがよく、乾きやすいため、いつでも気持ち良く使える。

無印良品のウレタンフォーム三層スポンジ/グレー

グレーを選ぶ理由も実用的な観点から。中国料理では唐辛子など色の濃い調味料もあり、グレーであれば着色が目立ちにくい。

「白のスポンジだと一度洗っただけで色がついてしまう。でも、着色したからって、一度で捨てるわけにはいかないでしょう? グレーを選ぶのは長く気持ち良く使うための選択でもあるんです」

ウー・ウェンさんと無印良品のウレタンフォーム三層スポンジ/グレー

何回も使い続けると、くたびれてくる。でも、ウーさんはすぐには捨てない。
教室で役目を終えたスポンジはバックヤードへ回る。そこでもしっかり働いた後、最後は床磨きをする。

「いきなり捨てるわけじゃないの。役割を全うしてもらう。そうやって最後まで使い切って、『お疲れさまでした』って言いながら処分するんです」

無印良品のウレタンフォーム三層スポンジ/グレーと水切りネット
水切りネットも無印良品のものを愛用中。

来日して36年。1997年に始めたクッキングサロンは、来年で30周年を迎える。
もともと料理家になるつもりで日本へ来たわけではなかったが、故郷の手料理を振る舞ったところ、周りの人から「ぜひ中国の家庭料理を教えてほしい」と頼まれ、その声に応えているうちに今の仕事へとつながった。

無印良品 ウー・ウェン 

コロナ禍を経て、教室の規模は縮小したが、クラスの募集をするとあっという間に定員が埋まるほどの人気ぶりは変わらない。生徒の中には、長年通い続ける人たちもいる。
みな、レシピを習うためだけに来ているのではない。くらしを整えること、季節との向き合い方、食べることの意味を、何度もここへ確かめに来るのだ。

ウーさんが昔から変わらないのは、基礎を大切にする姿勢。

「料理もくらしも同じ。基礎ができていれば、余計なことに頭を使わなくていい。その分、本当にしたいことや、クリエイティブなことに集中できます」

無印良品 ウー・ウェン 

ふきんやスポンジも同じかもしれない。
毎日の料理や片づけを支え、くらしの基礎をつくる一部。
華やかさよりも、使い心地や丈夫さ、清潔さ。本当に必要な機能を備えているからこそ、毎日自然と手が伸び、気づけば長い時間をともに過ごしている。
そして、その役目を終えたとき、ウーさんはいつも静かに声をかける。
「お疲れさま」

ものを大切にするということは、役割を十分に果たした後、感謝を込めて送り出すこと。その姿勢は、ウー・ウェンさんが30年変わらず大切にしてきた基礎そのものなのだ。

無印良品 ウー・ウェン 
「服も日用品もロゴがないものが好き。スケジュール帳もずっと無印良品のものを愛用しているんです」。

← 前の記事へ

次の記事へ→

← 前の記事へ

次の記事へ→

関連記事

関連商品