2021年からReMUJIの服のラインナップに加わった「つながる服」。回収されたシャツやTシャツ、デニムを切って縫い合わせてリメイクした、楽しくてユニークな服です。
「無印良品の商品のなかでは、異彩を放つ服かもしれませんね。面白みや遊び心にあふれて、一着一着の個性が際立つ服ですから」
そう話してくれたのは、「つながる服」のデザインや製作を担当する工房の方々。さながらシェフのように、素材(=回収された服)を料理して、思いがけない“素敵”を生み出しています。
「『つながる服』にレシピはありません。組み合わせには作り手一人ひとりのセンスが反映されますが、すべて無印良品がこれまでに作ってきた服ですから、『つながる服』は、ペアリングで無印良品を表現していると言えるかもしれませんね。リメイクというのは、いくらでも凝って作り込むことができますが、永くこのプロジェクトを続けていくために、無駄なく効率よく作り続けられるよう、基本は2着を組み合わせたシンプルなデザインになりました」
レスキューした服の生をまっとうさせたい
この工房を運営するのは、古着を扱って25年以上になる会社。世界中を巡って、古着のなかからまだ使えるものを選び、新しい価値を与え、また世に送り出してきました。
「古着を選ぶことを“レスキューする”と言っていますが、状態も品質もさまざまな古着からすべてをレスキューできるわけではありません。だから、レスキューできた服はリユースやアップサイクルでその服の生をまっとうさせたい、そう思っています」
その想いは、ReMUJIの「つながる服」づくりにおいても同じ。製作の過程で出た残布や端切れを活用して「つながる服 バッグ」を作っているのです。
「そもそも、古着として残っていける服というのは良質なものです。無印良品の服は素材としてとても良いもので、生まれ変わることのできるポテンシャルを持っています。だから、あまさず使い切りたいんです」
そもそも、捨てられるかもしれなかった古着が、新しい価値をまとって店頭に並ぶことは奇跡のようなものだと言います。
「ですから、気に入ったものがあったら、ぜひ手に取ってみてください。その服には、手放した人がいて、回収した人がいて、選別したり洗ったり染めたりつなげたりする人がいて……たどってきたストーリーを想像すると面白いですよね。『素敵』『かわいい』というきっかけからこの取り組みを知っていただけたら、作り手としてうれしいなと思います」