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生命力に溢れる、種から育てた「在来種野菜」

諸国良品

2019/11/15

現在私たちが口にしている野菜のほとんどは、種苗会社が開発した作りやすい種から作られていることをご存じでしょうか?江戸時代の日本には、大根一つ取ってみても全国に150以上の種類があり、当時は農家が自分たちで採取した種を育てていたそう。しかし、流通の発達により、形の良い大量生産に向いた品種に絞られていき、各地で作られてきた“在来種”の野菜は絶滅寸前に。そんななか、長崎県雲仙市にある「岩崎農園」では、地元はもとより全国から譲り受けた在来種の野菜を育てています。

「これまで代々受け継がれてきた在来種は、形はいびつですが生命力に溢れています」そう話す岩崎政利さんは、長崎県南部にある島原半島に位置する豊かな自然環境の中で、現在年間50種類ほどの在来種の野菜を育てています。

「こいつらは一つひとつ個性が強いので、欠点を抑えて、良いところを伸ばしながら育ててあげるんです」と岩崎さん。畑の一角に母となる野菜を植え、収穫期が来ても野菜を収穫せずに花が咲くまで待って、時間と手間をかけて種を採ります。

種が採れるのは年1回。在来種が、その風土や作り手の想いに応えてくれるようになるには、最低5年はかかるそう。しかし、こうして何年、何十年と採り続けられた種は、徐々にその土地になじみ、農薬や肥料を与えなくても、土そのもので育つだけの強い生命力を備えていくんだとか。

実は岩崎さんも最初からこのような農法を取っていた訳ではありませんでした。35年ほど前のこと、それまで当たり前に使っていた農薬の影響か、2年間ほど寝たきり状態になるほど体を壊したことがキッカケでした。

「はじめは仕方なく有機農業に切り替えたのですが、やがて自分にしか作れない野菜を作りたいと思うようになったんです」。そんな岩崎さんの元に、今では全国から在来種が集まり、県の依頼で有機栽培に強い品種の検査も担っているといいます。

「野菜の一生を見ることができる農業は素晴らしい。生まれ変わってもまた農業をしたいですね」。そう話す岩崎さんの育てる個性豊かな在来種の野菜をぜひ味わってみてください。

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生産者紹介

  • 供給者画像:生産者名 岩崎農園

    生産者名 岩崎農園 詳細

    長崎県雲仙市吾妻町で農家を営む。35年ほど前から有機農業に転身。同じ頃から「黒田五寸ニンジン」の採取を皮切りに自家採種を始める。NPO法人・日本有機農業研究会の幹事を務め、種苗部会を担当。長崎県の指導農業士。「スローフード長崎」代表も務めている。