約400年前に島民にそうめん作りが伝わり、今やかつての半分ほどしか無くなってもなお、島には150軒ほどのおそうめん屋さんがあるのだと言います。
農家の副業として広まったそうめん作りなので、ピークはもっぱら10月から3月。伸ばした麺は外に干して乾かすので、低い湿度や晴れが多い小豆島の冬はとても条件がよいのです。
「光と風がまんべんなく当たることで、色白のきれいなおそうめんができるんですよ」。だからこそ晴れの日にだけ仕込むのだと、優しい笑顔を浮かべてご主人・中武さんは話します。
雨の日は、箱詰めの作業や機械のメンテナンス。「この機械は100年前から変わってないんですよ。私の工場のものも、少し部品は取り替えたりするけれど、壊れずよく動いてくれます」
そうめんは、伸ばして外に干してからも、太陽の動きや風の動きなどを常に見ていないといけない。だから、伸ばしたばかりのできたてを、まかないとして職人たちは食べました。
職人や近所の人たちしか味わえないとっておきをお客さんにも食べてもらいたいと、生そうめん、自身で育てているオリーブの実を練り込んだオリーブ生そうめんは生まれました。