日本一の栗の産地で生み出された、新たな栽培法による大粒栗

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諸国良品

2020/08/21

日本一の栗の産地が茨城県ということは、意外と知られていないかもしれません。明治30年代から始まった栗栽培は、100年以上の歴史を誇っています。そんな栗の一大産地で、新しい栗の栽培法に精を出すのが「あいきマロン」。栗の矮化(わいか)栽培という、高木性の栗の樹をあえて低めに抑え、高齢化の進む栗農家も安全に管理できる栽培法を確立し、収量は約2倍、高糖度の栗を生み出しました。

茨城県笠間市。南北を山々や丘陵地帯に囲まれた緑豊かな平坦な大地に、栗林が広がっています。一年通しての穏やかな気候と、保水性・通気性に優れた火山灰土壌と昼夜の寒暖差が、美味しく風味豊かな栗を育んできました。

高木性果樹の栗は、人為的に樹形を小さくすることは困難とされ、これまで樹体管理の改良はほとんど検討されてきませんでした。しかし、農家の高齢化に伴い、整枝・剪定などの際に脚立の乗り降りによる危険が増していることもあり、栗栽培を辞めてしまう農家も増加しつつあります。

そんな時に、低い木で栗を育てる方法を考案・確立したのがあいきマロンの親会社です。元々は装置設計と機械加工の会社でしたが、リーマンショックの煽りを受けて、地元のコア産業だった栗栽培にも乗り出します。機械製造で培った検証方法は農業でも生かされ、栗の新たな栽培法に成功したのです。

ヒントを得たのは趣味で育てていたハイビスカスの鉢栽培。放任していたら樹高が高くなるところ、室内への持ち運びをしやすくするために整枝・剪定作業を行ったところ、着花数や形に顕著な変化は見られませんでした。この栽培法を栗にも応用。通常7~8mと高木になる栗の樹を2m程度に抑え、実の成る枝を4~5本と絞ることで、管理しやすい樹形に保ってみせました。

この栗の矮化栽培の結果、葉は樹を覆うように生い茂り、樹全体の日当たりも良くなったことで、3L以上の大玉の栗が8割以上、収量も慣行栽培の2倍、そして高糖度という「愛樹マロン」が育ったのです。低木ということで高齢者にとっても管理がしやすく、台風被害も小さい注目の栽培法を生み出したあいきマロンは、栗業界から注目を集め、全国から視察が絶えません。新たな栽培法による大粒でホクホクした秋の味覚をお楽しみください。

生産者紹介

  • 生産者画像:生産者名あいきマロン株式会社

    生産者名 あいきマロン株式会社 詳細

    茨城県笠間市で、栗の矮化(わいか)栽培という、低木に抑える新しい栽培法で栗を生産して10年目。5年樹においての10a当たりの収量は全国平均100㎏に対し247㎏。3L(1果重25~32g)以上は約85%。糖度も一般的に収穫時3.5度のところ、11.27度と高いことが証明され、特許も取得。低木で管理もしやすく台風被害も少ないことから、これからの栽培法として注目されている。