復興の旗印を探し求め、出会った「露茜」【相馬アグリ株式会社】

復興の旗印を探し求め、出会った「露茜」【相馬アグリ株式会社】

諸国良品

2025/06/01

鮮やかな紅色が印象的な「露茜(つゆあかね)」。
ウメとニホンスモモを掛け合わせて作られた新品種で、通常の梅より大ぶりな実とスモモの風味が香る希少な梅を作るのは、南相馬市小高区出身の大内さん。

大内さんは小高区の農家の長男として生まれ育ち、一度は家業の農業に従事するものの、植木事業を経たのち、介護事業などを立ち上げます。事業が軌道に乗り始めたころ、東日本に大きな爪痕を残した大震災が起きます。
南相馬市小高区は原子力発電所の20km圏内に該当し、5年もの間住民の立ち入りができませんでした。

2016年にようやく避難指示が解除となり、やっとの思いで戻った自宅には、草が生い茂り、土地は荒れ果てていました。その姿を見た大内さんは「この土地をもう一度利用できるようにしなければ」と再び農業を始めました。

記事内画像:001 復興の旗印を探し求め、出会った「露茜」【相馬アグリ株式会社】

そして2018年、「露茜」に出会います。露茜の記事を読んだことから、小高町の花は梅であったことを思い出し、露茜を栽培すれば新たな収入源となり、地元の復興に貢献できるのでは考えた大内さんは、露茜の苗を探し始めます。

苗探しや栽培も、苦労の連続でしたが、大内さん想いと技術が実を結び、今では16,000本の樹を育てるほどになりました。

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大切に育てた露茜は、果皮色を見ながら1粒1粒手摘みしで収穫し、追熟作業、冷凍熟成等と、手間暇かけて丁寧につくっています。

露茜は他の品種に比べて味わいがまろやかで糖度が高いため梅酒や梅ジュースなどの加工製品に向いており、梅酒や梅ジュースにすると、その鮮やかな紅色が際立ちます。復興の旗印として紅く実った梅を、是非お楽しみください。

生産者紹介

  • 相馬アグリ株式会社

    生産者名 相馬アグリ株式会社 詳細

    震災から5年が経ち南相馬に戻ってきた時、そこは草がぼうぼうで荒れ果てた状態でした。
    何か復興の旗印になるようなものはないかと思っていたところ露茜と偶然出会います。
    この露茜を使ってなんとか出来ないかと考え、露茜づくりに挑戦することを決意しました。
    苗木もない、栽培方法も分からないところから試行錯誤を繰り返す日々。その努力が実を結び、2023年には16,000本もの梅の木を育てるまでになりました。

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