「たはらのうえん」のあるエリアではもともと春にたけのこ、秋に栗の栽培をしていたそうですが、昭和の初めの台風で栗の木が折れてしまい、代わりに植えたのが柿の木でした。それ以降は冨有柿の栽培を続けています。
「たけのこと柿はちょうど作業が被らないんですよね。昔の人は素晴らしいと思います」(西田さん)
本格的に農業の世界に入ると、規格外品以外にも、高齢化による後継ぎ問題や放置竹林問題など、さまざまな課題が見えてきたという西田さん。2019年に「DELICEキョウト」を設立し、課題解決に向けて活動しています。その一つが、地域の生産者がつくる質の良いたけのこの販売です。
「たはらのうえん」のある大枝塚原エリアおよび周辺の大原野エリアの土は、上質な粘土質。その粘り気の強い土の中で成長したたけのこは、なかなか地上に穂先を出さないため、空気や光に触れずに“あく”や“えぐみ”が少なくなります。さらに冬にかけた土の布団にできるひび割れがたけのこ収穫のサインとなり、穂先が土の表面に出る前にたけのこを掘り出すため、真っ白なたけのことなるのです。
ほかにも、新しい竹林の活用法として、竹林キャンプや流しそうめんなど、竹林に足を運んでもらうイベントを実施。さらに、小学校や大学のゼミで放置竹林問題について一緒に考えたり、たけのこ掘りのツアーや竹と触れ合うワークショップを企画するなど、「京都竹林未来計画」と名付け、さまざまなプロジェクトに取り組んでいます。
「放置竹林や耕作放棄地、農作物の廃棄などの課題は何も京都だけのことではなく、日本全国共通の課題です。まずは自分たちの周りでできることから始め、それを発信することで仲間を増やしていけたらいいなと思っています」(西田さん)