かつては小さくて捨てられていたパインを価値あるものに

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諸国良品

2021/04/09

桃のような白い果肉と芳醇な香りがすることから「ピーチパイン」と呼ばれる沖縄生まれのパイナップル。かつて缶詰用のパイナップル生産が主流だった時代、小さすぎて売り物にならないと虐げられてきた品種に価値を見出し、市民権が得られるまでには農家さんたちの不断の努力がありました。西表島フルーツの川満洋一さんもその一人。今では娘の旦那さん平井伯享(ひらい のりゆき)さんも加わり、自慢のパイナップルやマンゴーを生産しています。
 
 

沖縄県の南西部に浮かぶ島、西表島。島の90%が亜熱帯の森に覆われる自然の宝庫には、マングローブ林や特別天然記念物のイリオモテヤマネコが生息することで知られています。そんな自然溢れる西表島で、1978年以来農業を営むのが西表島フルーツの川満洋一さんです。かつては缶詰用に大きいパイナップル栽培が主流でしたが、生食には酸味が強く、農家の収益としても厳しいものがありました。

そんな中、1999年‟パインアップル農林1号”として沖縄県が開発した「ソフトタッチ」という品種の栽培に乗り出します。しかし、当初は小ぶりで果肉が柔らかく、市場での認知も皆無。売り先がなく自家消費や捨ててしまうことも多々あったようです。そんなパイナップルの白い果肉と芳醇な香りに注目し、“ピーチパイン”と名付けたのが川満洋一さんだったのです。徐々に生食用の沖縄県産パイナップルとして市場でも認知され、市民権を得るようになったことは言うまでもありません。

 

現在、西表島フルーツの代表を務める平井さんは岐阜県出身。初めて奥さんの実家である西表島のパインを食べた時「こんなに美味しいパインは食べたことがない!」と衝撃を受けたといいます。以来「同じ感動を全国へ広げたい」との想いが増し、結婚を機に脱サラし、西表島への移住を決意。義父の川満洋一さんより農業のいろはを学び、現在ではパイン550a・マンゴー45aの広大な農地を担うまでになりました。

美味しさの追求の為に、経験・感覚を一番大事にしつつも、毎日の気温や日照時間のデータを蓄積し、毎年の気象変化へ対応。マンゴーは全て糖度計を通し、数字で表せられる品質の確保も行っており、経験・感覚とAI・ICTを両立した農業を目指しています。また、栽培が非常に難しく生産者がほとんどいない「てぃららマンゴー」の生産にも精を出し、統計的なアプローチで栽培法を探求。2018年には九州・沖縄地区農業者会議において「てぃららマンゴー」の取り組みで優秀賞を受賞しました。

 

平井さんのコンセプトは「感動」「笑顔」「感謝」。自分自身が初めて西表島のマンゴーとパインを食べた時の「感動」をもっと多くの人に届け、その美味しさでつい「笑顔」になってもらえるような瞬間をつくることで、自身がお世話になった西表島やお客さんにとって大切な人への「感謝」を表現したい。そんな想いが西表島フルーツのパイナップルとマンゴーには込められています。

生産者紹介

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    西表島フルーツ 詳細

    自然溢れる西表島で18年間パイン・マンゴーを栽培してきた経験を元に、2009年に農業生産法人(株)西表島フルーツを創業。岐阜県出身の現代表、平井伯享(ひらい のりゆき)さんは、妻の実家である西表島のパイナップルを食べたときに感動を覚え、結婚を機に西表島へ移住。現在ではパイン550a、マンゴー45aの広大な農地で、経験・感覚とAI・ICTを両立した農業を追及している。

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