ブックエンド、ランプシェード……使い終わったものにもう一度新しい役割を | オカヤマナナミさん

ブックエンド、ランプシェード……使い終わったものにもう一度新しい役割を | オカヤマナナミさん

おたより/手をうごかすよろこび 無印DIY部

2026/05/16

刺繍、工作、絵、料理……自分の手をうごかして何かをつくることに没頭していると、散らばっていた思考が少しずつ整っていき、ざわついていた心がすとんと落ち着く。つくることは自分と向き合う、豊かなこと。無印良品のアイテムを使ったDIY教室が開講。
9回目は、身近な素材からオブジェを作るオカヤマナナミさんが登場。履かなくなった靴下や使い終わった空き缶、ラップの芯など、飾りたくなるインテリアに生まれ変わらせるアイデアを教えてもらいました。
(取材・荒木にこ 撮影・表萌々花)

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オカヤマナナミ
オカヤマナナミ
2022年、武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科卒業。日々の生活の中で不要になった日用品の断片や、訪れた場所で拾ったものや購入したもの、または人から譲り受けたものを材料に、写真作品やオブジェとして発表している。
Instagram:@okayamananami

履かなくなった靴下や使い終わった空き缶、ラップの芯など……役目を終えてもしっかりとした造りは健在です。まだ使えそうなのに捨ててしまうのは、どこかもったいないと感じたことはありませんか? 今回はそんな不要になったものを新たな日用品として蘇らせるアイデアをご紹介。日頃から身近なものを素材として扱う作家のオカヤマナナミさんにアップサイクルの方法を伺いました。

履かなくなった靴下をブックエンドに

ブックエンド DIY
無印良品 靴下 スチール仕切り板 マスキングテープ

<材料>

  • 不要になった靴下
  • スチール仕切板 小』 2点
  • 緩衝材 約H400×W400mm
  • 手芸綿
  • マスキングテープ
  • クリップ

<つくり方>

① 『スチール仕切板 小』の半分を緩衝材で巻き、丸みを持たせたシルエットに。マスキングテープでとめていく。

無印良品 スチール仕切り板

② 靴下の半分くらいまで手芸綿を詰める。

無印良品 靴下 DIY

③ ①に②を半分まで被せて、さらに綿を追加。

無印良品 靴下 DIY

④ ボリュームが出たら、裏側をクリップで留める。これを二つ、つくれば完成。

無印良品 クリップ DIY

空き缶をランプシェードに

ランプシェード DIY
ランプシェード DIY

<材料>

<つくり方>

① プラグが通り抜けるくらいの穴を開けるため、マジックで円を下書きする。その上からキリで穴を開けていく。

ランプシェード DIY

② 転線になった円をペンチでめくる。

ランプシェード DIY
このとき、切り口が鋭くなっているため、手で触らないように注意。

③ 切り口を金属テープで保護する。

ランプシェード DIY

④ 缶の内側から、プラグを通して天井に設置すれば完成。

ランプシェード DIY

残った芯をフォトフレームに

フォトフレーム DIY
フォトフレーム DIY

<材料>

  • 余った芯(食品保存用ラップやアルミホイルなどの芯)
  • 空いた瓶(ジャムやドリンクの容器)
  • 割り箸
  • 手芸綿
  • 竹串

<つくり方>

① 5~6cmにカットした芯に、瓶の口があたる位置に印をつけてくり抜く。

フォトフレーム DIY

② くりぬいた部分の中央にキリで竹串が通るよう穴を開ける。

フォトフレーム DIY

③ 反対側にポストカードを挟むための切れ目を入れる。このとき、真反対より少しずれた位置にすると若干傾斜がつく構造に。

フォトフレーム DIY

④ 瓶に②をはめこみ、キリで開けた穴に竹串(or 割り箸)を通す。写真をはさめば完成。

フォトフレーム DIY

<番外編>

無印良品の色鉛筆と水性六角2色ツインペンセット

ちなみに、クラフト芯は『色鉛筆』や『水性六角2色ツインペンセット』でデコレーションすればさらにオリジナルに。

完成図がなくても手を動かしてみると形になる

取材で伺ったのは、オカヤマさんのアトリエ兼自宅。部屋には、リングノートの針金をまるめたオブジェや、タワーのように積み上げられたビタミンドリンクの瓶、跡がついたダンボール片など、馴染み深いプロダクトが姿を変えてインテリアに溶け込んでいる。それらは捨てられる運命にあったものとも捉えられるが、オカヤマさんはリサイクルしたいから取って置いているわけではないという。

「身近なものを材料にしてきたのはこどものころから。トイレットペーパーの芯で人形をつくったことも。アーティストになったから、とかではなくて自然と素材集めが好きでした。ビニタイや瓶、ロールの芯など、生活の中で出るものもあれば、秋葉原に行って分解された部品を探すこともあります。でも完成図を思い描いて集めているわけではなくて、素材自体の存在感やディテールに惹かれて選んでいますね。
そうやって、当たり前に身の回りにあるものを視点を変えて観察してみると、役割を終えたものでも新しい魅力に気づくことができる。せっかくこの世に生まれてきたのに、一つのものとしての役目を終えたらさっさと捨てられてしまうのはちょっと寂しいですよね。どこかものに対して感情移入しているんです。それが結果的にサステナビリティへの意識に繋がっているのなら嬉しいです」

DIY  リサイクル
栄養補助飲料のグリーンの瓶は、なんと100個以上集めたのだそう。
DIY
作業台の上には素材が細かくクリアケースに分けられている。

作業スペースは、これまで収集してきた素材が丁寧に仕分けられている。制作中は、ひたすら無心でものと向き合う。

「子どもの絵やメキシコのウッドカービングなど、民芸品のような整いすぎていない作品やものに温度のある美しさを感じるんですよね。だから私もラフスケッチを描いたりはじめから決めこまない。制作するときは完成図も考えずに無心で手を動かしています。その場でものを組み合わせて自分の作品にしているので半分は運(笑)。
ひたすら素材を合わせてみたその先に偶然の産物が突如現れるんです。その時間こそものづくりの醍醐味だと思います。『プロじゃないから』みたいに遠慮しないで、いろんな方にもっと気軽にDIYを楽しんでほしいです」

DIY
ヴィンテージショップで出合った帽子掛け。「店主がワイヤーの中に球体を入れていて、その自由さが良いなと。私もガチャガチャで手に入れた地球のマスコットを投入してみました」とオカヤマさん。

ものを組み合わせた様子を写真作品として記録してきたオカヤマさん。ずっと飾っておけるオブジェを作り始めたのは実は最近のこと。知人からの誘いが新たな挑戦を後押しした。

「私がこれまで記録してきた作品は不安定なバランスで飾ることはできなくて、オブジェ自体を作り始めたのはここ一年くらいのことなんです。ただ使っている材料が不要になったものを組んでいるので自分で納得していてもチープに見られてしまうのがどこか心配でした。
でも、知人にマルシェの出店に誘われて、気楽に出せそうな場だったので思い切って作品を出したら、想像以上に反響があったんです。そんなふうに、勇気は入りましたが案外挑戦してみると自信に繋がりました。こうやって話していると、新しいことには不安がつきものですが、あれこれ考えすぎないでまずやってみる、そんな自分でありたいな、と思います」

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