スタッフのいえ
出会いを紡ぎ、住みたい空間をつくりあげた部屋 | スタッキングシェルフ、ステンレス ユニットシェルフ ほか

2026/03/13
今回は、スタッキング シェルフ や ステンレス ユニットシェルフ などを取り入れ、住みたい部屋をリノベーションで実現した、斎藤さんを訪ねました。
集合住宅/ひとり暮らし

斎藤さん
無印良品の空間デザイン室で、宿泊施設や住空間のデザインやインテリアに携わる。ひとり暮らし。
生かしながら、変えながら。やわらか ポリエチレン ケース

斎藤さんが暮らすのは、築55年ほどのヴィンテージマンション。玄関からダイニング、キッチン、ワークスペース、リビング、寝室に至るまで、さまざまな要素は、動線をさまたげることなく、ほぼひと続きに配置されていた。
壁もカウンターもインテリアも、空間を構築しているもののすべてに、どこか統一感があり、その雰囲気は斎藤さん自身のやわらかな印象とも通じる。
それもそのはず。この部屋は、彼女自身が、使いやすい配置はもちろん、素材や色、質感などを含めて考え、スケルトンの状態から、フルリノベーションを手掛けた空間なのだ。

斎藤さんは、さまざまな店舗でインテリアアドバイザーとしてキャリアを積んだ後、個人住宅のリフォーム提案をする専任スタッフの経験を経て、現在、空間デザイン室で法人向けの内装デザインやインテリアコーディネートに携わっている。
主に担当しているのが、MUJI roomをはじめとする宿泊施設や、ホテルや寮などのデザインと聞けば、この空間にも納得。ところどころ梁が出ているところもあるが、それもフレームのように生かされ、住まいの中へ溶け込んでいた。
「古い建物なので、もっとこうだったら、と思うところは多少あるのですが、変えられる部分は変え、変えられない部分はポジティブに生かせるように考えればいいかな、と思って」




この棚には、大きさも形もいろいろの器たち。金継ぎの跡も見え、彼女がいかに人の手によってつくられたものが好きか、それらを大切に使っているかが伝わってくる。
「もともと、土っぽいざらっとした質感や、“人がつくった感”が残る器が好きです。作家さんの展示におじゃまして買ったものもありますが、蚤の市で思いがけず出会ったものもあります。そういうお気に入りのものは、見えないところにしまわず、表に出しておきたいですし、見せるならそういうものに合う空間にしたいなと思って、持っている器の色や質感をヒントに、内装で使う素材を選びました」



斎藤さんの住まいで特徴的な設えのひとつが、マンションの間取りにはなかなかない、リビングの傍らにある洗面台。ここにもこれまでの空間デザインでの経験が存分に活かされている。
「自分で設計デザインをする以外に、よく趣味でいろいろなホテルに宿泊するのですが、このような洗面台の配置には使い勝手の良さも感じていたので、リノベーションプランを考えはじめたときから、絶対にやろう! と決めていました。入浴後に髪を乾かしたり、スキンケアをするのも、脱衣所ではなく空調の効いた部屋の一部で快適にできますし、ここにスツールを持ってきて、ゆっくり身支度を整えたりメイクをしたりするにも便利です。
自宅に遊びに来てくれた友人たちからも、とても好評です」







持つのは、日々使うものだけ。ステンレス ユニット シェルフ

キッチンカウンターとダイニングの方に視線を移すと、基本的に四角いものが多いインテリアの中、円の曲線が空間にアクセントを添えていた。
「まるいものって、来客があっても複数で囲いやすいんです。移動しても、位置や間に違和感を生まないのも良いですね。カウンターは、この半円があることで広く使えます。友人たちとごはんをつくるときの、作業台としてもちょうど良いですし、ここでお菓子やパンをつくったりもしています」

キッチンももちろん、自分でデザイン。
寸法から構成、細かいパーツ選びまで、彼女自身が考えた一角は、生活感は残りつつも置かれているものは少なく、無駄がない印象だった。
「ストック類をあまり持たない性格で」と斎藤さん。
すっきりしているゆえんは、いま使うものだけを手元に、という、彼女のものの持ちかたにある。
「日用雑貨も、使うものと、ほんのちょっとの予備だけあればいいかなって。冷蔵庫も、独立した野菜室がない小さめなのですが、食材を買い置きしたり、つくり置きをしたりするほうではなくて。
その時々で、食べたいものを食べ切るぶんだけつくるので、そこまでの容量は必要ないんです」





シンク下の収納棚には、ステンレス ユニットシェルフ と ポリプロピレン 小物収納ケース が測ったようにぴったりと収まり、かさばる鍋類が整理されていた。
このサイズ感は、偶然ではない。
「前に住んでいた部屋も扉タイプの台所収納で、ステンレス ユニットシェルフ を入れて使っていました。それがとても良かったので、新居でも同じ使い方にしたいと思って。だから、ステンレス ユニットシェルフ のサイズをベースに、キッチン収納の寸法を割り出しています。住宅のリフォームを担当していたときの経験が、かなり活きました」







仕事が繋いでくれた、ご縁とともに。木製ベッド

寝室には、大きな窓がふたつ。その中にたたずむのは、無印良品の木製ベッドと寝具。
カーテンとして使っていたのは、リネンのフリークロスだった。布越しに差し込む光は、角が取れたようなやわらかさで空間を満たす。
眠るときにも遮光カーテンを引かず、あえてそのまま。
「朝起きたときに、光を感じて目覚められるほうが気持ちが良くて」
光の採り方も、住みたい暮らしに添った、空間デザインの一部だ。





つくりつけのクローゼットには扉がなく、薄い布に覆われているだけ。
内側には、十年ほど使っているという ポリプロピレン 収納ケース や ステンレス ユニットシェルフ が、並んで置かれていた。
シーズンオフのものも含めて、持っている洋服類はすべてここに収まっているという。「収納ケースは引き出しごと入れ替えられるから、衣替えも楽ちん」と斎藤さん。

クローゼットに収められた衣類は、モノトーンやベージュがほとんど。色を絞っているのは、「自分が迷わないため」だそう。服は前よりも増えているというが、持ちものの量にも彼女らしい基準があった。
「レンタルスペースなど、家を離れたところに収納を持つと、性格的になにをどのくらい持っているかがわからなくなってしまいそうだなと思って。だから、衣類は目に届く場所にしまえて、自分が把握できるぶんだけ、持つようにしています」


そして、クローゼットの隣は、ちょうど一脚分のチェアが収まる、小さなワークスペース。
布に包まれた部屋そのものの居心地の良さはそのままに、この一角にはほんの少しだけ、芯が通っているような、広く根が伸びているような、スッとした空気が漂っていた。

「MUJI room SAKAMOTOYAのインテリアデザインを担当したとき、大阪にある家具屋さんにお願いして、吉野材を使ったデスクを施設のために、オーダーでつくっていただいたんです。そのデザインと無垢材の素材感がとても好きだったので、自宅のリノベーションの設計をしているときにデスクのことを相談してみたら、快く受けていただいて。
床材や部屋のテイストなどを細かく伝えて選んでもらったのは、くるみの木。素材感が出てくるのが好きなので、ここでの暮らしとともに、少しずつ育っていくのもいいなと思っています」






木材や陶器の素材感に並び、玄関のコートハンガーやカーテンレール、棚受など、ところどころに組み込まれた真鍮素材も、この空間をまとめるひとつの要素。
「真鍮は、経年や手で触れることでも色が変わる素材。生活の中で、少しずつ味わいが出てきました。
真鍮のパーツも木製の家具も、オイル塗装だけに留めた床材も、“育っている”と思うと愛おしさが増しますし、汚れや傷に対しても大らかでいられるんです」







気に入ったものは、使いつづける スタッキングシェルフ

斎藤さん自身の好みや、空間デザインの仕事をきっかけ結ばれた土地や人との縁。
それらの点が線となり、混じり合って面となり、立体として表出されたものが、この空間をつくりあげている。
色彩のトーンや素材感、光のまわり方に加えて、この部屋を心地良くしている要素がもうひとつある。それは、家具の背の高さだ。
「この物件は一般的な住宅よりも天井がやや低め。ところどころ梁や管が外に出ているので、空間に圧迫感がでないように、できるだけ家具は低くしたくて。
愛用しているスタッキングシェルフは、5段×2列のものと組み合わせてL字で使っていた時期もあるのですが、この物件との出会いをきっかけに大きいほうは友人に譲り、3段×2列のものを引き続き使っています」


作家による一点ものやアート作品など、個性的なものが散りばめられた空間だが、日用品には無印良品のものも溶け込んでいた。
「たしかに、無印良品のもの、ちょこちょこありますね」と、あらためて部屋や愛用品を見渡した、斎藤さん。仕事でも空間づくりに携わる彼女は、無印良品のものをどう見て、どんなシーンで使っているのだろう。
「いろいろな素材が混ざっていることが好きなので、良い意味での引き立て役として、無印良品のものを使っています。
空間デザインの仕事を通じて発見したのは、テイストを選ばずどんなところにも入っていける良さ。仕事では要望を叶えたり課題を解決したりすることも求められますが、そういうときに土台を固めたり、背景を整えてくれる。そんな心強い味方です」





最後に、最もながく愛用している無印良品の製品を尋ねると、スタッキング シェルフ と即答だった。
ともに暮らすこと、十年以上。これまでに三回の引っ越し、四つの物件をともに経験しているだけあって、角は少しまるくなっていたり多少の傷もあるが、それもすべて個性として家具に宿り、愛着に変わる。
「スタッキング シェルフ は突板でつくられていますが、経年で色に深みが出てきてこんなに良い感じになるとは、ひとつのうれしい発見。一緒に時を積み重ねているうちに、ヴィンテージのオーク椅子にも負けないくらい、色が育ってきました。
ここまで長く使い続けているのは、使い勝手もデザインも気に入っているから。今後、仮にライフスタイルが変わって、住まいを変えることがあったとしても、この スタッキング シェルフ は持っていくと思います」

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