使いながら触れながら、木と向き合う部屋

使いながら触れながら、木と向き合う部屋

おたより/スタッフのいえ

2026/04/16

無印良品ではたらくスタッフの家を、愛用しているアイテムとともに紹介します。
今回は、無垢材のテーブルやベンチ、壁に付けられる家具 をはじめ、「木とともにある」暮らしが印象に残る、新井さんを訪ねました。

集合住宅/ふたり暮らし

文・内海 織加/写真・幸喜ひかり
住んでいる人
使いながら触れながら、木と向き合う部屋 | ステンレス ユニットシェルフ、壁に付けられる 家具 ほか_YGGO30

新井さん
無印良品の法人向け商品の開発を担当し、国産材を活用した商品開発や取り組みも推進。奥さんとふたり暮らし。

見せるか、隠すかで分ける。ステンレス ユニットシェルフ

使いながら触れながら、木と向き合う部屋 | ステンレス ユニットシェルフ、壁に付けられる 家具 ほか_5Ir3ol

新井さんが暮らすのは、それなりに築年数が積みあがった、古い賃貸マンションの一室。
中に入ると、ダイニングキッチンの空中にはのびのびと植物が枝葉を広げ、木製の家具や節の入ったフローリングが、暮らしをやわらかに受け止めていた。

まるで自然の中にいるような設えに惹かれて、この部屋を選んだのかと思いきや、この内装デザインそのものも、新井さんが自ら大家さんに提案して、実現したのだという。

使いながら触れながら、木と向き合う部屋 | ステンレス ユニットシェルフ、壁に付けられる 家具 ほか_Mlb9Xn
リビングを入って右側の壁には。端から端までの備え付けの棚。ガス台とシンクの並びには、作業台としても便利だという、杉集成材 中空パネル の長いカウンター。そして、その下はすべて収納のためのスペース。引き戸は、法人限定で販売されている ダンボールふすま で、取っ手は以前、取り扱いのあった型。

この家への引っ越しを考えたのは、彼が無印良品のとある店舗で、インテリア アドバイザー として活躍していた頃のこと。

「ちょうど仕事で、国産の木材が抱える課題に注目していたときでした。当時の本社オフィスでも、国産材を使ったリノベーションをしたばかり。このノウハウを住宅にも生かすことができたら、と話をしていた矢先、ちょうど出会ったこの物件にリノベーションの計画があることを知ったんです。
それなら、と思い切って、材を含めたデザインを提案させてもらいました」

使いながら触れながら、木と向き合う部屋 | ステンレス ユニットシェルフ、壁に付けられる 家具 ほか_AdyKG0
キッチンツールや食器類は、シンクまわりに出して収納。すぐに手に届くところを置き場にすれば、料理をするときにも片付けるときにも、最短距離でたどり着く。

リノベーションプランのテーマは、“国産材を存分に生かした部屋づくり”だったが、新井さんがこだわったデザインは、もうひとつある。
それは、収納のつくり方だ。

店舗スタッフだった頃、数々の収納プランを提案してきた一方で「実は、論理的に収納プランを立てるのが得意ではなくて」という彼が、自分の性格や暮らしぶりを踏まえて辿り着いたのは、究極まで削ぎ落とした、単純明快な方法。

使いながら触れながら、木と向き合う部屋 | ステンレス ユニットシェルフ、壁に付けられる 家具 ほか_m95qH4
壁につけられる家具 箱 を、壁にはつけずに作業台の上へ。横置きにして手ぬぐいや小さなふきんを収納。耐熱ガラスの保存容器には、ラベルをつけて調味料を入れた。

「見せてもいいものは上に、隠したいものは下に。ルールを簡単にして、考える労力を最小限にしつつ、気持ち良く収納できるようにしたくて」

大きなワンルームの右手を占めるキッチンはそう語る言葉のとおり、見せるか隠すかの二択に分けて、収納されていた。
シンクとガス台の脇には、高さを合わせるように設置された長い作業台が窓際まで続き、その下はすべて収納スペース。
上半分を開放的にしておくことで、空間としても圧迫感を感じにくく、部屋を広く感じられる良さもあるというが、そればかりではない。

「作業台が長いと、友達が遊びにきたときに良いんです。みんなで並んで、流れ作業でごはんの支度もできますし、食器もおちょこも表に出ているから、各々が好きなものを手に取って、食卓をつくってくれる。
おもてなしをしなくてもいいキッチンなんです」

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ガス台に置かれた鉄のフライパン(現在は終売)を含め、愛用のキッチン道具には無印良品のものも多い。包丁やまな板には、最近仕事でよく訪れる日本各地とのご縁で使いはじめたものも。
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キッチン道具は、すぐ手に取れるように吊るして収納。栓抜きやピーラーは、ひっかける ワイヤークリップ をフック代わりに。
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吊るす収納には、アルミ S字フック や ステンレス 横ブレしにくいフック など、さまざまなフックが使われていた。小ぶりな 逆さにしても使えるスプレーボトル は、植物の水やり用。
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ダイヤル式キッチンタイマー は、レンジフードの脇が定位置。
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柄が長い計量スプーン は、お気に入りだというキッチンツールのひとつ。「計量したまま、混ぜられるのが便利」と新井さん。
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カウンター下の収納は、ステンレス ユニットシェルフ がぴったり収まる高さに設計されていた。ダークグレーのダンボールボックス(現在はベージュのみ販売)、ホワイトグレーのファイルボックスには、隠して収納したい、ごみ袋や保存容器、お弁当箱などを無造作にしまっている。

見せるか、見せないか、という、わかりやすくて明快な分けかた。
そう整えた収納先へ置き場所を決めていくことは、持ちものを見直す機会にもなっている。

「見せてもいいものは一軍として出しておいて、見ていたくなくなったら戸棚の中に移動し、それでもしばらく使わなかったら処分。物持ちがいいタイプなので、この三段階で定期的に持ちものを整理できるのが良いんです」

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足元に置いたダンボールボックスの内側は、無印良品の紙袋を仕切り代わりに。埋もれてしまいそうな袋類などのありかも、仕切りを入れるとわかりやすい。
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下段の棚に置いた ステンレス ユニットシェルフ には、ステンレス ワイヤーバスケット が並ぶ。中には、食品ストックのほか、バスケットごと持ち出したいイベントのための道具やアウトドア用品も。
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ガス台の下にも、ステンレス ユニットシェルフ を収め、鍋類やかさばる調味料を収納。上面につけられたタオルバーは、法人向け商材として扱っているもの。
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左のシンク下は、ごみ箱の定位置。ふたに貼られた分別のシールは、家具の商品開発担当をつとめていた時代に、収納のプロモーションとして企画したもの。
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杉集成材の 中空パネル でできたカウンターが、暮らしにあたたかみを添える。カウンター上にも無印良品の新旧製品がずらり。
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冷蔵庫の置き場所は、リノベーションの際、かつて押し入れだったスペースの一角に確保した。
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「収納のルールを単純明快にしたことで、自分の中でも、ものの優先順位や見方がはっきりするんです」と新井さん。彼にとって収納は、ものを収めるだけでなく、ものと気持ち良く向き合うための実践だ。
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中空パネル のキッチンカウンター。使い込まれて、艶が生まれた。
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ダイニングテーブルの側には、移動も楽ちんな スチールパイプのワゴン。新井さんが手がけた製品のひとつ。
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キッチンの対面に位置するリビングの壁側には、デスクと趣味のものを。キッチンと同じつくりのカウンターと収納で、見せたいものは飾り棚にディスプレイし、本や書類などは引き戸の内側へ。床へラフに置かれた大きめの座ぶとんは、ユニットソファ用のクッションカバーに来客用ふとんをつめたもの。使いながら収納するという裏技だ。
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コロナ禍をきっかけに在宅ワークが増え、リビングの一角に仕事ができる場所を設えた。くつろぎの空間にはハイバックチェアも置かれているが、ラグの上に直接、寝転がるのが好きだと言う。
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在宅ワークの日にはデスクとして使っている スチールパイプ テーブル。使わないときには、ステンレス ユニットシェルフ が入った引き戸の内側にぴったり収まる。カウンターの壁際には電源タップ用のわずかな隙間を設けるなど、細かな工夫も凝らされていた。そして、こちら側の収納でも、棚の中では、ダンボール ボックス が活躍。
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ステンレスのミラーとトレーは、無印良品。傍らには、ユニークなデザインの関節照明も。木のあたたかみに無垢の金属がかけ合わさった質感の対比が、空間のアクセントになっていた。
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棚上には、愛用している一世代前のトタンボックス。重ねてもずれない体裁にリニューアルした現行品の開発は新井さんが担当したが、棚の上には以前から使い続けてきたという旧品が並んでいた。
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リビング側は、壁面にも無垢の板を貼って、キッチンとは異なるあたたかみのある設えに。上段の真ん中に飾られているアートピースは、仕事でご縁が繋がったアーティストのunpisさんに描いてもらったという、婚約指輪代わりの一枚。
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くつろぐひとときは、床で横になるのが好きだと言う新井さん。体にフィットするソファ はもともと大きな通常サイズを愛用していたが、暮らしを少し見直したタイミングで、小さいミニサイズへ買い替えた。 下に敷いているラグは、Found MUJI で取り扱っていたキリム。

木の気持ち良さを、暮らしの中に。杉集成材の中空パネル

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国産の木材が抱える課題に目を向けたこの部屋には、これまでは商品になりにくかった材が、積極的に使われている。
そのひとつが、いわゆる「しにぶし(死節)」の点在したフローリング。

節をパテで埋めることに手間がかかることから、材として使われることは少ないという。
だからこそ、そのまま使っても暮らしに支障がないかを試すために、この穴だらけの材が選ばれた。

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足元を見ると、床に張った無垢の板には、ところどころに節の穴。

結果、実際に生活へ取り入れてみたところで、パテ埋めをしない穴だらけのフローリングは、なんの問題もなかったという。

「穴のところは部分的に掃除機で吸っていますが、いままでとの違いはそのくらい。ぼこぼこだけど、めっちゃ好きです。
木がやわらかいから、この間うっかりお茶碗を落としたときは、床のほうがちょっと傷ついて。でも、お茶碗は割れなかったんですよね。
肌で触れても気持ちが良いから、冬以外はスリッパも履かない。素足で過ごすことが、ほとんどです」

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針葉樹の無垢材は、長年使い続けると、やわらかい夏の年輪部分が凹んで、冬の色濃く硬い年輪が浮き出てくる。玄関の扉を開けたとき、光の差し具合でそのコントラストが浮き出るがさまが美しい、と新井さんは語る。

ここに暮らして約七年。素肌に触れ、時間を積み重ねたことで、床材も最初に比べて色や艶が増し、暮らしとともに育ってきた。
おもむろに玄関に向かった新井さんは、ドアを開け、「昼間に外から帰ってくると、ほら、こんな感じでフローリングが、キラキラ光って見えるんです」と、教えてくれた。

「このフローリングには、杉を使っています。針葉樹の特徴に、成長の早さが違うことで生じる年輪の太さの強弱、つまり夏目と冬目があるのですが、冬目の方が硬いから、使っているうちに少し浮き出てきて。
それが自然光に照らされると、光って見える。その感じが好きなんです」

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寝室の壁に貼られていたのは、2025年に開催された『山のダイゴミ展』で使った図解。角材を切り出すときに出るさまざまな端材を、わかりやすく解説したもの。

新井さんは、自宅のリノベーションをきっかけに国産材と向き合うようになり、その後、商品開発を経て、現在は法人向けの内装材やオフィス用家具の開発にも携わっている。そして、その流れで2024年から関わっているのが、『山のダイゴミ プロジェクト』。

山の木を伐採するときに出てしまう木端を、ゴミではなく、ものづくりの醍醐味(ダイゴミ)として捉え、暮らしになじむ製品へと蘇らせる。
このプロジェクトをきっかけに、自宅に迎えたものも多い。

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木を伐採するときに最初に切り出す「ウケグチ」を利用した、木端の壁に付けられる家具があちらこちらに。同じものはふたつとない。山のダイゴミ プロジェクト で限定商品として企画し、完売した。
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玄関にある木端の壁に付けられる家具には、縁起物をのせて。
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2025年に開催した『山のダイゴミ展』の際、数量限定で販売した山缶。細い枝や幹、端材などの小さな未利用材を詰め込んだ、いわば山のお楽しみ缶は、生産者からも反響が大きかったという。
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山缶に入っていた枝には、マグネットをつけて冷蔵庫へ。
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丸太から角材を切り出したときに出る丸みのついた材は、木表を内側に向けて集成材にした、中空パネル へ。新井さんの仕事にもゆかりのある素材。

視点を変えれば、まだまだ使える、日本の木の未利用材。
新井さんの想いとともに、無印良品では法人向けにそのような未利用材を“素材”として、販売 をはじめた。

「うちでも輪切りの木や端材の板を、キッチンでは台として使っていますし、たんころと呼ばれる雑木もスツールのように使えます。
この家で、節穴だらけのフローリングや、木っ端を使った壁に付けられる家具、中空パネルを実際に使い、売れないと思われていた材にも、まだまだ魅力や価値があると理解できました。
それを、林業に関わる山の生産者の方々にも、伝えられたらいいな、と思っているんです」

無印良品 法人向け空間商材

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強度がありつつも、空洞があることで比較的軽いという中空パネルは、キッチンにしつらえた造作の棚にも使われている。
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リビングには、キッチンへコンロを取り付ける際にくりぬいた 中空パネル の端材でつくった、小さなテーブルも。弧から生まれた空洞は断面で模様をつくり、デザインとしても際立つ。
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玄関には、木の端材を使ったドアストッパーが。新井さんの暮らしには、いつもさりげなく木の存在がある。
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仕事で通っている熊本県五木村で、ヒノキの角材から削り出してつくったもの。手をかけ、時間をかけ、ナイフで一輪の花を咲かせた。 「黙々と木を削っていると、不思議と心が安らぐんです」
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キッチンの棚上には、張り子の人形や民芸品、郷土玩具や海外のお土産など、愛らしい置物がずらり。
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仕事のご縁で訪れた土地で出会った木製の郷土玩具。熊本県人吉市では、かつて縁起物として、無印良品の福缶にも入っていた、雉馬の原型に出会った。
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部屋のいたるところには、叔父さんの影響で集めはじめたというフクロウの置物が。佇んでいる場所や角度に、新井さんのあそび心がちらりと覗く。
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キッチンには、木の端材が即席の棚づくりにひと役買っていた。その隙間には、保存容器やティッシュケースがぴったり。
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リビング側の飾り棚には、いただきものの小さな鳥居。建築の基礎材でつくられているそう。
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グリーンを乗せていたのは、新井さんが商品部に異動して最初に手がけた、思い入れのある平台車が。車輪を選ぶときには自宅で検証をして、コストを抑えられる樹脂製ではなく、やわらかい木の床も傷がつきにくいエラストマー製を採用したという。
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節のあるフローリングは、ここでの約七年で育まれ、少しずつ色が濃くなった。冬はスリッパだが、それ以外の季節は素足が心地良い、と新井さん。

機能と美を兼ねた、憧れとともに。アルミ アームライト

使いながら触れながら、木と向き合う部屋 | ステンレス ユニットシェルフ、壁に付けられる 家具 ほか_Y2iVus

『山のダイゴミ プロジェクト』をきっかけに近年、新井さんの部屋に木のアイテムは増えていると言う。が、ふと「最近、無印良品の新しいものを、あんまり買っていないのかも」と、インテリアや暮らしの道具を見渡した。

「長く使っているものが、多いからなあ」

寝室のベッドやスタッキングシェルフ、クローゼットの中で衣類をしまっていたパイン材のユニットシェルフも、聞けば10年以上の愛用品。キッチンのトースターやコーヒーメーカーも、彼の朝のひとときを長年、支え続けている。

使いながら触れながら、木と向き合う部屋 | ステンレス ユニットシェルフ、壁に付けられる 家具 ほか_uWl8vc
オーク材の スタッキング シェルフ は、3×2と1×2を連結せずに並べ、衣類と書籍の収納に。年季が重なり、突板ながらに色が育ってきた。
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寝室にある スタッキング シェルフ の上には、古い型の アルミアームライト ベース付 が。現行品より、かなり大きなもの。

持ちものの中で、最も古い無印良品のものを訊ねてみると、迷うことなく部屋から持ってきてくれたのは、防災アイテムとして登場した充電式のラジオ。

「これ、好きなんですよ。こうやって回すと、蓄電されて」

こいつ、まだ全然、生きてます。
そんなふうに愛用品を語る彼の口ぶりには、ものを相棒のように感じているような「好き」が溢れていた。

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長く愛用しているオーク材の木製ベッドフレーム(現在は終売)。 「気に入っていて、変えたくないんです」と新井さん。
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サイドテーブルのようにベッドの脇に置かれていたのは、10年ほど前に無印良品の別注として販売されたartekのスツールE60。
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寝室には、壁に付けられる家具。限定企画のウケグチを使ったものに並んで、通常品の三連フックも愛用。室内灯は無印良品の旧品。
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「13年くらいは使っていると思うんですけど」と、使いはじめた時期も忘れてしまうほど愛用しているパイン材ユニットシェルフは、クローゼットの中で衣類の収納を支えている。この材も無垢だからこそ、経年変化によって色もきれいに育まれた。足元には、ポリエステル麻のボックスとトタンの三角ボックス(いずれも、現在は終売)。
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クローゼットには、統一されたハンガーのアルミのフックが気持ち良く並ぶ。これは、自然の消臭防虫効果を備えたレッドシダーのハンガー(現在は終売)。こんなところにも、木材の力が発揮されている。
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リビングの飾り棚には、無印良品の歴代の製品が並ぶ。アルミアームライト ベース付は、奥さんも同じものを持っていたため、一台は飾って保管しているそう。

リビング側の棚には、さまざまなアートピースに並んで、アームライトや15年ほど前に発売していたガラスの床置きライト、もう動かなくなった時計など、無印良品の古い製品がいくつも置かれていた。

使うという役割を終えても、そのデザインを飾っておきたいと思うほどの愛着は、大学時代から育まれたものだという。

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うるおいアロマディフューザーのデザインベースにもなったのではないかという、フロストガラスのテーブルランプ。個人活動の屋号を印字し、自作の台座に乗せた。
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大学時代の卒業論文で取り上げたテーマは、無印良品のデザインについて。そして、当時刊行されていた無印良品特集のムック本に掲載されていた「デザインしないデザイナー募集」のひと言に、心を掴まれたそう。

建築を先行していたという大学時代を振り返り、なつかしそうに新井さんが語る。

「当時、無印良品の電話機を知って衝撃を受けたんです。受話器自体に番号のボタンと通話のオンフックボタンが付いていて、手にとれば通話、伏せて置けば通話が終了できるというシンプルな設計。機能も見た目も、究極まで削ぎ落としたデザインとその哲学に心惹かれてしまって。
卒業論文も無印良品のデザインをテーマに書いたのですが、その後の自分が、店舗でのアルバイトを経て、商品開発にも携わっているんだと思うと、感慨深いですね」

使いながら触れながら、木と向き合う部屋 | ステンレス ユニットシェルフ、壁に付けられる 家具 ほか_OtA026
キッチンのガス台の脇に設けられた、壁に付けられる家具を用いたドレッサー。

そんな新井さんが商品開発にも携わり、自身も長く愛用しているもののひとつが、壁に付けられる 家具。
寝室やキッチンでも使われているが、なかでも鏡と棚を組みわせて、ドレッサーのように仕立てられた一角が目を引いた。

正面の鏡から絶妙にずらして配置されたもう一枚の鏡は、新井さんが最近、めずらしく買い足したもの。
そこには、彼の暮らしの変化を象徴する理由があった。

使いながら触れながら、木と向き合う部屋 | ステンレス ユニットシェルフ、壁に付けられる 家具 ほか_Rgf0n0
鏡を追加するときには、見た目の美しさと使い勝手を考え、高さと位置を細かく検討して、いまの位置にセットしたそう。ドライヤーをかけてあるのは、壁に付けられる 家具 のトレーを自己責任で底面を抜き、DIYしたもの。

「長くこの家で、ひとり暮らしをしていたのですが、昨年、結婚をきっかけに、ふたり暮らしになったんです。
となると、いままでは朝、ひとりでここに座ってゆっくり支度をすることができたけれど、ふたりになると、そうもいかない。
それで、同じタイミングでできたほうが便利だなと思って、少しずらすような配置で、鏡を追加したんです。ひとりが座って、もうひとりが立ち、ふたりで同時に支度できるように」

ひとりから、ふたりへ。
インテリアも配置も、ひとり暮らしの頃からほとんど変わっていないという部屋で、この一枚の鏡だけが、暮らしに訪れた大きな変化を、静かに物語っていた。

使いながら触れながら、木と向き合う部屋 | ステンレス ユニットシェルフ、壁に付けられる 家具 ほか_6WVy1o
最も好きな無印良品の椅子だと語るのは、前の住まいにいた頃から愛用していたという、THONET とのダブルネーム。「曲木でつくられている背面と、後ろからの見え方がきれいで好きなんです」と新井さん。

めぐる季節と木の呼吸を感じながら。無垢材 ダイニングテーブル

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新井さんがこの部屋へ引っ越す前から愛用していたもののひとつに、REAL FURNITURE シリーズで企画された、無垢材 ダイニングテーブル がある。

いまよりもこじんまりした当時の家への収まりだけを見れば、大きすぎるものだったが、それでも「大きなダイニングテーブルが欲しかった」という。

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大きなテーブルは以前の住まいから。当時の部屋はいまより小ぶりで、このテーブルに占領されていたそう。椅子は、この家に引っ越してから一脚ずつ集めた。

インテリア アドバイザー として、お店に立っていた時代から芽生えていたというダイニングテーブルへの憧れには、とある先輩の存在もあった。

「僕にとっての インテリア アドバイザー の師匠にあたる方から、食事は床でするものじゃない、ダイニングで食べなさい、と教えられていたんです。
そんなある日、当時はたらいていたお店へ入荷した、節ありのテーブルに部分的な割れがあることがわかり、販売を控えることになり……自分にとっては迎え入れる良いタイミングに違いない、と」

そして、割れの入った大きなテーブルが、当時の住まいへやってきた。

「ひとり暮らしに、このテーブルいる? なんて言われていましたけど、仕事も食事もゆったりできて、洗濯物を畳むときには作業台にもなり、とにかく便利。
あのときに買ってよかった、とあらためて思います」

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部分的な割れも、無垢材ならでは。季節や気候で割れ目に段差が生まれたり、もとに戻ったり。

テーブルの割れは、季節によって詰まったり、開いたりするという。
材になっても、木が生きている証拠だ。

「いまは冬(取材は2025年12月)なので、割れているところがわかりやすいですが、使っていて不自由に感じたことは一度もありません。そして、夏になると割れ目は、ほとんどわからなくなります。
季節による変化を目の当たりにして、材になっても木は生きているんだなあ、と。ラフに扱っても大丈夫ですし、あとで直せる良さもある。やっぱり無垢材は良いですよね」

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節が入った無垢のテーブルは、節目が個性。同じものがないから、愛着が増す。
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節のあるテーブルとの暮らしが、節のある木材への理解と国産材への興味関心に繋がった。
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新井さんが愛用する食器にも、長く使っているという木製のものが多く見られる。奥に立てられているスプーンは、仕事の縁がきっかけで趣味に発展した手づくりのもの。生の木から削り出したスプーン一本一本には、木に向き合った記憶と愛着が宿る。
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割れたところを自分で直しながら、大切に使い続けているアカシアのボール。
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使い込んで縁が白くなってくるのも、アカシアの味。一つひとつ表情が異なる木目も個性。
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リビングには、REAL FURNITURE のオーク材ベンチが。照明が置かれているのは、スチール製のサイドテーブル(現在は終売)。
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新井さんが商品部へ在籍しているときにエストニアで見つけ、Found MUJI での取り扱いに繋がった薪バッグ。木を薄く削ったもので編まれているため、強度もあり長持ちする。
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仕事で広がった興味が暮らしを豊かに彩り、日常で感じたことが仕事の発想にも繋がっている新井さん。個人では立ち飲みイベント『余市』を開催するなど、自身が楽しみながら、縁を繋ぐ活動もしている。

家族が増え、暮らしが変化を迎えたいま、新井さんの中では、次の住まいへの新たな構想が膨らみつつある。
使っている家具は、次の住まいにもそのまま持っていく、と彼は言うが、それに加えて、照明や椅子など、移住先を想像して買い集めはじめたものもあるそうだ。

使いながら触れながら、木と向き合う部屋 | ステンレス ユニットシェルフ、壁に付けられる 家具 ほか_5F8m6n
ひとりで使っていたテーブルへ、椅子がひとつずつ加わって人が集まる場になり、家族で囲む憩いの場にもなった。

いまの家も、自身の要望を叶えるようにリノベーションできたからこそ、思い入れも強く、離れがたいと漏らす。
しかし、新井さんがわくわくとした気持ちとともに見つめる先には、これまでとはひと味ちがう、住まいづくりへの挑戦がある。

使いながら触れながら、木と向き合う部屋
長い時間をかけてゆっくり成長してきたことがわかる、無垢の木の年輪模様。じっくり育まれた証は、新井家のあらたな暮らしを、これからもずっと見守りつづける。
使いながら触れながら、木と向き合う部屋 | ステンレス ユニットシェルフ、壁に付けられる 家具 ほか_al1Mdi
ひとり暮らしから、ふたり暮らしへ。さまざまな変化を受け止めてきたこの部屋とも、別れが近いという。
使いながら触れながら、木と向き合う部屋 | ステンレス ユニットシェルフ、壁に付けられる 家具 ほか_0HL4xe
次の住まいは、より自然を近くに感じられる場所へ。内でも外でも、木の息遣いを感じられる部屋にしたい、という。

インテリア アドバイザー から商品企画へ、そこから空間デザインを経て、法人向けの什器や内装材の開発へ。
導かれるようにさまざまな経験を積み重ねな、クロスオーバーしながら徐々に専門的な知識も身につけてきた、新井さん。

不思議とそれに添うように暮らしも進化し、そしていま、少し先に見えてきたのは、山をそばに感じる場所への移住と、DIYによる住まいづくり。

使いながら触れながら、木と向き合う部屋 | ステンレス ユニットシェルフ、壁に付けられる 家具 ほか_3HXPd5
新しい住まいには、いまあるものをすべて持っていく、と新井さん。

まだ物件は探し中。
しかしながら、新井さんの頭の中には、やってみたい構想が膨らんでいる。

「次の住処として、ものすごく広い平屋で山付きみたいな物件を探しているところです。きちんとお金をかけてリノベーションするところもありつつ、自分たちでも手をかけてつくっていけたらいいなと思っています。
きれいにちゃんとしようと思うと、やりすぎちゃって疲れちゃうので、ほどよく雑に。
ツギハギな感じが理想です。

穴が空いたら上から板を当てて塞ぐくらいのラフさでつくっていきたいですし、いま使っているテーブルや椅子も、屋内用とか屋外用とかをあえて決めずに配置したい。
より自由に、空間デザインを楽しめたら、と思っています」

使いながら触れながら、木と向き合う部屋 | ステンレス ユニットシェルフ、壁に付けられる 家具 ほか_h1fA2P

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