暮らしのQ&A
管理栄養士に聞いた、体にうれしい間食の選び方

2026/10/09
(取材・文/草野舞友 撮影/大森忠明)
管理栄養士、日本抗加齢医学会指導士。食事からのアンチエイジングを提唱。医療機関をはじめ幅広い分野で活動中。都内クリニックにて栄養指導、食事記録の栄養分析、食事管理業務、病院食や院内レストランメニューの開発や料理本の制作などの経験をもつ。『間食ダイエット』(文藝春秋)など、著書本も多数。
間食をとったほうが、太りにくい場合も

「太るから」といって、空腹なのにおやつを我慢しているのは、かえって逆効果だという森由香子さん。
「食事の間隔があくと、おなかが空きすぎて食事を必要以上に食べてしまったり、血糖値の急上昇を招いて太りやすくなってしまったりすることがあります。それを防いでくれるのが、『間食』なんです」
さらに、空腹時間が長いと、筋肉の分解を加速させてしまう場合も。間食をとることが、筋肉量の維持につながる点もメリットだといいます。
200kcal以内で、栄養素も考えられたものを

間食をとることで太りにくくするとはいえ、高カロリーのおやつや食べ過ぎは避けるべき。適量や、選ぶ際に気を付けるポイントはあるのでしょうか?
「次の食事までにおなかが空く程度の量であれば、間食でとった分のカロリーは消費されたということ。間食は200kcal以内に抑えられると安心です。食事の量が多かったときは間食の量を減らし、逆に食事が少なかったときは間食の量を増やすなどして、調整すると良いでしょう」
選ぶ際はカロリーだけではなく、「栄養素」にも目を向けるのがポイント。
「欠食があると、食事だけで必要な栄養素をとるのは、なかなか難しいものです。特に意識したいのは、たんぱく質。筋肉量は30代から徐々に減少し、50代では減少スピードが加速する傾向があります。そのほか不足しがちなのが、食物繊維、鉄分、マグネシウム、カルシウム、カリウム、ビタミンC、ビタミンB群など。いろいろな栄養素がとれる間食を選んでみてください」
間食のベストタイムは14~15時。ドリンクでもOK

「実は「太りにくい時間帯」があり、間食はその時間帯にとるのがおすすめです。
脂肪合成をコントロールするBMAL1(ビーマルワン)という体内時計をつかさどる時計遺伝子があって、その働きは時間帯によって変化します。もっとも増えて体脂肪がつきやすいのは深夜で、もっとも低いのは14~15時ごろ。ちょうどおやつタイムと言われる時間は太りにくいので、ベストタイミングです。この時間が難しくても、明るいうちに食べるようにしたいですね」
とはいえ、間食をとる時間がない日もあるでしょう。
「無理にとる必要はありませんが、食事と食事の間が7時間以上空くのであれば、血糖値の急上昇を防ぐためにも間食をとることをおすすめします。
7時間以上空いてしまったあと1時間以内くらいに食事をとれるようであれば、お茶やコーヒーでもOK。
間食=おやつ・お菓子ではないので、スープでも。夕食が遅くなりそうな日は、夕食の一部を先にとるイメージで、おにぎりやパンなどの炭水化物をとるのもおすすめです」
適度な間食で疲れやストレスが軽くなる効果も
仕事や勉強、運動などでエネルギーを消費すれば、疲労感をおぼえます。そんなときも、適度な間食がおすすめ。エネルギー補給をしてひと息つくことで、疲れが軽くなります。
「間食をとることで集中力が回復し、作業効率が上がることも期待できます。さらに、おいしいものや好きなものを味わえば、気持ちがハッピーに。ストレス解消やリフレッシュにもなります」
間食を選ぶ際は、食べたい気持ちが「心」「頭」「体」のどの疲れからきているかを考慮して選ぶと、より満足度が高く、効果的な間食になります。
ストレスを感じたら:心が疲れているときのおすすめ

「空腹を感じていなくても口寂しかったり何か食べたいときは、『偽りの食欲』。暴食してしまうことがあるので、なるべく低カロリーのものを選びましょう。
噛むことで、幸せホルモンと言われるセロトニンの分泌が促されるので、ナッツ類やグミ、するめ、クッキーなどがおすすめ。甘いものを食べるときは、個包装のものだと食べ過ぎが防げます。そのほか、リラックスしやすくなるハーブティーを取り入れるのもおすすめです」
勉強や仕事の合間に:頭が疲れているときのおすすめ

「頭が疲れているときは、ブドウ糖を補給しましょう。食物繊維が含まれているものであれば血糖値の急上昇を避けられるので、バナナなどのフルーツや干しいも、ナッツ類などがおすすめです。
また、チーズやヨーグルトをはじめ、アイスクリームやプリン、ゼリーなどの甘いものでもリフレッシュできます」
運動後や体力消費後に:体が疲れているときのおすすめ

「空腹な状態なので、エネルギーをつくるたんぱく質、炭水化物、脂質の補給が必要です。ただし、血糖値の乱高下を起こす心配があるので、糖類の多いものは避けたほうが無難。サラダチキンやゆで卵、魚肉ソーセージなどがおすすめです。また、夕食が遅くなりそうなら、おにぎり(もち麦や枝豆入り、チャーハンなど、食物繊維や脂質がとれる白いごはんではないもの)や全粒粉入りパンなど満足度の高いものを選ぶと良いでしょう」



