ゆらぎに寄り添う。養生日和
『春土用』に要注意。胃腸が弱る、季節の間の食養生

2026/04/15
取材と文・高浦彩加 撮影・藤井由依
良品計画 食品部商品開発 お茶担当。総合商社に新卒入社し、過労とストレスで身体を壊したのを機に漢方と出合い、漢方を学ぶために薬学部に再入学。生薬研究室で薬草を栽培しながら研究に励み、漢方や薬草をもっと世の中に広めたいという思いから、現職に至る。
季節の変わり目は、胃腸をいたわって
漢方では、自然界のあらゆるものは『木』『火』『土』『金』『水』(もっかどごんすい)の5つの要素から成ると考える『五行説』(詳細はこちらの記事を参照)がベースにあり、四季はそれぞれ春=『木』、夏=『火』、秋=『金』、冬=『水』の性質が該当。
残る『土』は、それぞれの季節の変わり目に該当し(※)、『土』の作用が強くなる立春・立夏・立秋・立冬の直前約18日間を『土用』と呼び、それぞれ『春土用』『夏土用』『秋土用』『冬土用』といいます。
『土』は梅雨の時季や、夏の終わりから秋にかけての長夏(ちょうか)の時季に該当するなど、諸説あります。
「多くの方がうなぎを食べるイメージを持っている『土用の丑の日』は、夏土用。年に4回ある土用は、体調を崩しやすい時季とされていて、胃腸のケアが漢方の養生法ではすすめられます」と織田さん。
なぜ胃腸のケアが大切なのか。
「『五行説』に基づき、人の心身の状態を分類した『五行色体表』では、『土』に該当する体の機能(=五臓)は、胃腸・消化器系の働きを担う『脾』で、土用は『脾』に負担がかかりやすい季節なんです。

さらに、『脾』は五臓すべての土台とされていて、機能が低下すると、疲れやすさ、だるさ、むくみ、食欲不振、胃もたれといった全身の不調にもつながります。
2026年は4月17日(金)から5月4日(月)が『春土用』。この期間は消化に良いものや温かい食事を選んだり、胃腸を冷やさない工夫を取り入れてみてください」
春から初夏にかけては、気温が上がりはじめる一方で、朝晩の冷えや冷房の影響などで、体をうっかり冷やしてしまいがちな場面も増えます。
腹巻きなどお腹を温めるアイテムを取り入れたり、汗ばむ陽気の日は、通気性のよい綿素材のインナーでお腹をカバーし、蒸れを防ぎながら冷えすぎを防ぐ工夫を。

素材の甘みで、胃腸をいたわる
『土用』の食養生を考えるのにも『五行色体表』が役立ちます。
「『土』に該当する味覚は『甘』。ここでいう甘さは、砂糖ではなく、かぼちゃや芋、栗などの素材そのものの甘みのことで、芋やかぼちゃのポタージュのほか、小豆やとうもろこしのお茶など、やさしい甘みを感じられる飲みものをとり入れてみてください」

また、うなぎのイメージが強い『土用』ですが、人によっては注意が必要。
「うなぎのような滋養のある食材は、胃腸が元気なときには力を補ってくれますが、弱っているときにはかえって負担になることも。体調に合わせて、無理のない食事を選ぶことが大切です」
季節の変わり目は誰しもが体調を崩しやすいタイミング。健康の土台となる胃腸をいたわり、次の季節に備えましょう。
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