ゆらぎに寄り添う。養生日和
冷たいもののとりすぎに注意。「熱ごもり」を防ぐポイント

2026/06/26
取材と文・高浦彩加 撮影・藤井由依
良品計画 食品部商品開発 お茶担当。総合商社に新卒入社し、過労とストレスで身体を壊したのを機に漢方と出合い、体系的に学ぶため、薬学部に再入学。生薬研究室で薬草を栽培しながら研究に励み、漢方や薬草をもっと世の中に広めたいという思いから、現職に至る。
夏のだるさやほてりは「熱ごもり」かも?
気温が高くなるにつれて、起こりやすいのが、体のほてりや、頭痛、のぼせ、イライラ、めまいといった不調。これらを引き起こす要因になるのが身体の「熱ごもり」です。
「『熱ごもり』とは、体の中に余分な熱が溜まった状態のことで、本来なら発汗や排尿で逃がす熱を、うまく外へ出せなくなっているのが原因。放っておくと、熱中症につながるリスクがあります」と話すのは、漢方生薬ソムリエの織田枝里子さん。
「ポイントは体を冷やしすぎないこと。特に臓器など体の深部を冷やしすぎると、本来、熱を逃がすために必要な排泄の働きが弱くなってしまい、悪循環になるため、あくまでも表面を冷やし、深部は冷やさないというのが、『熱ごもり』解消のポイントです」
冷やしすぎを防ぐコツ
深部を冷やさないために、まず気をつけないといけないのが、冷たい食べもの、飲みもののとりすぎ。
「暑いからといって冷たいものばかりとっていると、胃腸は冷えてしまいます。とはいえ、暑い日にはアイスクリームや冷やし中華、冷麺など、冷たいものを食べたくなることもありますよね。そんなときは、冷たいものだけにならない工夫を取り入れてみましょう。
例えば冷たいアイスクリームを食べるなら、あたたかいお茶を一緒に。そうめんには味噌汁やスープを添えるなど。胃腸の冷えをやわらげることで、体の巡りを保ちやすくなりますよ」

また、熱中症対策として冷房は欠かせませんが、冷やしすぎには注意が必要です。
「一日中強い冷房の部屋で過ごしていると、体が冷えて汗をかく力が弱くなってしまいます。もちろん無理は禁物ですが、28℃前後を目安に調整するように心がけましょう」
冷気を直接あびるのではなく、サーキュレーターの活用もおすすめ。下に溜まりがちな冷たい空気を循環させることで、ムラなく部屋全体を冷やすことができます。
外出時には、外から冷やすアイテムを活用して
外出先の暑さ対策でも、ポイントは体の深部を冷やさず、表面の熱をとること。
「ついつい冷えたジュースが飲みたくなりますが、身体にこもった余分な熱を冷ます清熱作用がある『そば茶』や、余分な熱と水分を排出するのを助ける『はと麦茶』などを選んでみてください。
お店や自販機の飲み物は冷えているものが多いので、マイボトルを活用し、常温で飲むように心がけて。目盛り付きのボトルなら、自分がどれくらい水分をとれているかも把握しやすくなりますよ」

体の深部を冷やしすぎないように気をつけつつ、「体の外側から熱を逃がすアイテムは、熱中症予防のためにも、積極的に取り入れて」と織田さん。
例えば、風通しの良い衣類や、ネッククーラー、ハンディファンなど。排泄機能を落とさないためにも、“中からではなく外から冷やす”を意識し、体本来の働きを生かした暑さ対策を。

← 前の記事へ
← 前の記事へ




