きほん服
おはじきボタンという小さな工夫

2025/01/23
きほん服ってなんだろう? 流行がうつり変わっても、いつもクローゼットに入っている服、気がつくとつい手にとってしまう服。そう聞いて、誰しも装いのきほんとなる服が一着や二着は思い浮かぶはずです。着やすくて実用的。くらしに寄り添う服こそが、無印良品が考える「きほん服」です。
きほん服がきほん服であり続けるために、無印良品では気づかれないような小さな工夫やアイデアをかたちにしながら変わり続けています。
「紳士 洗いざらしブロード長袖シャツ」や「婦人 洗いざらしブロードレギュラーカラー長袖シャツ」、「紳士 洗いざらしオックスボタンダウン長袖シャツ」などのシャツに使用している「ボタン」も、そのひとつ。その名も「おはじきボタン」。おはじき? そう、みなさんも子どものころに手にしたことがあるであろう、あの「おはじき」です。
さて、どこがおはじきなのか——。答えはボタンの裏側に。おはじきのように幾重にも溝を刻み、ボタンをつまんだ指が引っかかって留め外しがしやすい工夫をしています。
これは、実際に日本の伝統的な遊び道具「おはじき」の溝に着想を得てデザインしています。知らなければ見過ごしてしまいそうな工夫ですが、これこそが日常の使いやすさを追求する無印良品らしさと言えるのかもしれません。
名著『アイデアのつくり方』の著者ジェームス・W・ヤングは、「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない」と記していますが、まさにその方程式から生まれたアイデア。もし、手元に無印良品のシャツがあるなら、ぜひ指でなぞってその使いやすさを実感してください。
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