きほん服ってなんだろう? 流行がうつり変わっても、いつもクローゼットに入っている服、気がつくとつい手にとってしまう服。そう聞いて、誰しも装いのきほんとなる服が一着や二着は思い浮かぶはずです。着やすくて実用的。くらしに寄り添う服こそが、無印良品が考える「きほん服」です。
フレンチカジュアルの定番であるボーダーシャツも、きほん服の一着かもしれません。ボーダーシャツの原点は、フランス・バスク地方に暮らす漁師たちの手によって生まれたバスクシャツにあります。
海の厳しい環境にも耐えられるよう工夫された、丈夫な横編みの生地。脱ぎ着がしやすいように設計されたボートネック。バスクシャツには、日々、荒波と向き合うなかで育まれた「実用性」と「美しさ」が宿っています。
バスクシャツは、無印良品の「
太番手ボートネック長袖Tシャツ(ボーダー)」がデザインを見直す際に立ち返る原点でもあります。例えば、ボーダーラインの幅。バスクシャツが原点となり、今ではあらゆる幅のボーダーラインがありますが、さまざまな年代の資料を見ながら研究を重ね、無印良品では0.8cm幅を長年採用しています。
もちろん、原点回帰するだけではありません。いにしえのワークウェアを現代的に解釈し直してもいます。例えば、首元。肌あたりがなるべく気にならないように薄手の天竺を使用し、裏バインダー始末にすることで適度な伸縮性と耐久性を両立しました。生地もオーガニックコットンの太番手の糸でしっかりと編み、厚手でありながら、しなやかさをまとわせています。
日常着としても、きれいめの装いのアクセントとしても楽しめるのが、無印良品のボーダーシャツです。
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