きほん服
きほん服と時代感|変わらないために変わり続ける服

2025/03/11
きほん服ってなんだろう? 流行がうつり変わっても、いつもクローゼットに入っている服、気がつくとつい手にとってしまう服。そう聞いて、誰しも装いのきほんとなる服が一着や二着は思い浮かぶはずです。着やすくて実用的。くらしに寄り添う服こそが、無印良品が考える「きほん服」です。
シンプルなアイテムだからとクローゼットに眠らせていた服をひさしぶりに引っ張り出してみると......どうも古びた感じがするということはありませんか。決して流行りものではないはずないのに。
それもそのはず。じつはシンプルなアイテムほど、気づかないくらい細かなところに、シーズンごとに“時代感”の調整をしています。まさに、変わらないために変わり続けるデザイン作業といえるかもしれません。
流行に左右されない簡潔さを追求する無印良品の服には、欠かすことができない“日課”といえます。

それは、流行(トレンド)を知るための市場調査というよりは、“時代感”の調査のために。調査の対象は必ずしも、いま市場にあるものばかりではありません。ときには、「原点のバスクシャツと0.8cmのボーダーライン」の記事でご紹介したように、その起源に遡ることもあります。それは過去にこそ“未来”があることも少なくないからです。
何か“いま”たらしめているのか。あるいはどのように改良すると古びないのか——。
そんな視点で集めた知見を、無印良品の服に反映しています。いつ手にとっても、“いま”であり続けるために、無印良品の服は変わり続けているのです。
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