印象としては真ん中。だけど、物事の土台|きほん服インタビュー②chi-ko.(フローリスト)

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おたより/きほん服

2025/03/12

きほん服ってなんだろう? 流行がうつり変わっても、いつもクローゼットに入っている服、気がつくとつい手にとってしまう服。そう聞いて、誰しも装いのきほんとなる服が一着や二着は思い浮かぶはずです。着やすくて実用的。くらしに寄り添う服こそが、無印良品が考える「きほん服」です。

「無印良品のきほん服・春」の特集でモデルを務めてくださったみなさんに、それぞれが考える「きほん」について聞きました。六人六様の「きほん」の話。花屋「Forager(フォレジャー)」のフローリスト、chi-ko.さんが考える「きほん」とは?

——「きほん」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?

「印象としては真ん中。だけど、物事の土台、ベースになるイメージです」
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花屋「Forager」

——暮らしのなかで、「きほん」にしていることはありますか?

「面白いか、面白くないか、みたいなことですかね。例えば、同じ仕事をずっと続けていても、マンネリ化してきたり、ルーティンになりすぎたりして、ちょっと退屈になってしまったりするじゃないですか。そのときに、そのままのマインドでいると全部が面白くなくなってしまうと思うんですよね。 それを自分のなかの設定によって面白く変えるようにしています」

——例えば、どんなことをされるんですか?

「ちょっと実験的にしてみるとか(笑)。 例えば、同じ料理を繰り返しつくって何回目でマスターできるかとか、ある1冊の料理本をページ順に全部つくってみる、みたいな。料理はいつもつくっているけれど、そのままやると面白くないから自分なりにポイントをつくると、ちょっと実験的になって嫌じゃなくなる。ちょっとわかりにくいですね(苦笑)」
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——少しの変化が大きな変化を生むということなのかもしれませんね。お仕事の場合はどうでしょうか?

「そうですね。仕事だとお花の新しい組み合わせを考えるとかでしょうか。仕事では、わりとそういうことが多いです。同じ生け込み先に毎週、あるいは月に2、3回行くのですが、『こうしてみたらどうかな?』ということを自分なりに考えていないと、面白くなくなってしまいますから」

——お客さまとは抽象的なイメージでやり取りすることも多いですよね。

「そうですね。花束をつくるときは、毎回、その人のために新しいレシピを開発する料理人みたいな感じです。できるだけわかりやすくなるような質問をして、イメージを引き出します。『こっちに合わせるとこうだけど、こっちだとこういう印象になります』とか『どっちがいいですか?』みたいに。色を優先するのか、質感を優先するのか、それとも印象を優先するのか。お医者さんが問診するみたいに、いろいろ聞きます(笑)」
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——装いでの「きほん」ってなんですか?

「TPOに合っているか。飛びすぎず、沈みすぎず、みたいなことですかね。そこからからちょっと遊んでみようかなって、『ピョン!』みたいなのを入れたりもします。仕事のときは、まず自分が動きやすいかどうかということ。あとはお客様から見て、『汚れちゃいそう』とか『破けそう』とか、そういうハラハラさせる感じのものは避けるようにしています」


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