きほん服
それはひとと自分の間にあるもの|きほん服インタビュー①舟吉(大学生)

2025/01/23
きほん服ってなんだろう? 流行がうつり変わっても、いつもクローゼットに入っている服、気がつくとつい手にとってしまう服。そう聞いて、誰しも装いのきほんとなる服が一着や二着は思い浮かぶはずです。着やすくて実用的。くらしに寄り添う服こそが、無印良品が考える「きほん服」です。
「無印良品のきほん服・春」の特集でモデルを務めてくださったみなさんに、それぞれが考える「きほん」について聞きました。六人六様の「きほん」の話。大学生の舟吉さんが考える「きほん」とは?
——「きほん」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
「広い意味だし、その質問にパッと答えるのは難しいですけど、自分の嗜好と社会から自分がどう見られたいかの真ん中に存在するのが、『きほん』ではないかな、と思います。例えば、僕がどんなにサンダルが好きだからといって毎日履いていたら、真面目な印象にはならないですよね。もし、周りの人から真面目にとられたいなら、サンダルと革靴の間にある『スニーカー』が、いまの自分の『きほん』なのかもしれない。『きほん』って、そういうものだと思います」
「いまは、スマートフォンやパソコンの画面との付き合い方、朝はSNSなどを見ない、ということを『きほん』にしています。朝がいちばん自分らしくいられる瞬間だと思うから。いかに自分の変化に敏感でいられるか。自分がなにをしたいのか、どういうことを思っているのか。そこからやっと『きほん』が見えると思います。それがいまいちばん大事にしている、僕の『きほん』です」
「職場に新しく入ってきた仲間たちを尊重することですね。どうすれば新しく入った人を自分と同じか、自分より上のレベルにできるかを意識しながら接しています。そうすれば、自分も成長できると思っています。自分がいままで無意識に普通のことだろうと思っていた仕事のきほんのレベルが上がると信じて、日々働いています」
—— どのようにして実践していますか?
「呼びかけるときに、名前で呼ぶことですね。そうしたら相手も自分もただ何十人もいる従業員ではなくて、『彼は舟吉だ』と思ってくれるし、僕も呼ぶたびに頭で意識するので。そこから基本的な尊重は始まるんじゃないかなと思って大事にしています。名前がいちばん基本的なことなのではないかと思います」

「何を着るかであんまり悩みたくないから、季節ごとに決まった全身のコーディネートが二通りあって、それを毎日続けることがきほんかもしれません。でも、そのコーディネートには一切妥協せず、自分がいちばんいいと思う耐久性のあるものを選んでいます。好きなものだから、ずっと着ていられる。たまに1カ月に何回かはちょっとおしゃれしたいなとか、お気に入りのこれを久しぶりに着たいなといった日もあります。そんなときは、いつもよりも自分の気分が上がるものを着ている喜びをかみしめながら過ごす。これが、いまの自分のファッションのきほんですね」
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