心に余白を生む、整理と収納
「ものが増えすぎたら、またバランスを整える。そのくり返し」小林杏奈さん

2026/03/14
(取材と文・竹村真奈 撮影・ふぁま)
小林杏奈(こばやしあんな)
グラフィックデザイナー。フィンランドにまつわるデザインと、ものの循環をテーマとしたネットショップを運営。
Instagram:@hupianna

――フィンランドがお好きで、1年に一度は行かれているとか。
「そうですね。特別な空間だけでなく、日常の中に自然とデザインが溶け込んでいるバランスが、とても好きです。実際に訪れてみると、港近くの市場で学生がえんどう豆をおやつ代わりに食べていたりして。その“ゆったりとした空気感”と無理のなさにも惹かれました。がんばりすぎない感じが心地よくて、すっかり虜です。ヘルシンキの無印良品にも、行ったことありますよ。アップサイクルのドライフラワーが販売されていたり、サステナブルを意識した商品やセレクトが印象的でした」
――選ぶインテリアやレイアウトに、こだわりはありますか?
「形や色、素材のバランスです。四角いものが多ければ、丸いものを置いてみたり。色を揃えたり、抜け感を大切にしてみたり。紙面をデザインするときにとても似た感覚で、常にバランスを考えていますね。ものが増えすぎたら、またバランスを整える。そのくり返しです。私の場合は、余白も欲しいタイプなので。視界に入る情報量が多すぎると心がざわついたり、集中力もなくなっていく気がします」
――暮らしにおいて意識していることは?
「ゴミ問題には、特に関心があります。わが家のゴミ箱は、年々小さくなっていて。つい最近も、無印良品のひと回り小さなゴミ箱に替えたばかりです。ゴミ箱を小さくすれば、意識的にゴミを少なくできると考えています。フィンランドはサステナブル意識が高く、そういう部分も強く惹かれる理由かもしれませんね」
1. ひとつの部屋だったスペースを玄関にリノベーション

もともと小さな部屋だったスペースを、リノベーションで玄関に変更しました。
「玄関スペースを広く取ったので、靴以外にも旅行アイテムやオフシーズンのものなどいろいろ収納できるように。モルタルの土間も気に入っていますね」
2. “入りきる分だけ”の仕事道具

仕事道具をまとめたスペース。「気付くとものは増えてしまいがちなので、“ここに入るだけ”と決めています。入りきらなくなったら見直す。その繰り返しですね」
3. 余白のある整え方

「完璧すぎる片付けには少し違和感があるんです。ビシッと整いすぎるのが私には合わなくて。少し抜けがあるくらいがちょうどいい。フィンランドのゆったりとした空気みたいに」
4. 一日の終わりにリセットするワークデスク

必ずきれいにしておきたい場所を尋ねると。「ワークデスクです。一日の終わりに必ずリセットします。書類などが溜まった状態を翌日に持ち越したくないんです」
5. 素材と木のバランス

「キッチンスペースはきちきちに整えすぎず、でも調理器具がずらりと並ぶ景色も好き。色味はシルバー、黒、グレーを基調にして、木とのバランスを見ながら揃えました」
6. 収納の中にも余白を

ストッカーの奥にも、あえての余白が。「収納の中にも余白がほしいんです。ぎゅうぎゅうに詰まった引き出しは使いにくいし、どこか気持ちも窮屈になってしまう気がします」
7. ゴミを減らす仕組み

「ゴミ箱は小さいものに。ゴミは小さく潰して、そもそもゴミが出にくいパウチ製品を選ぶこともあります。ちょっとした工夫で減らせるんだなと。これからも探求していきたいです」
8. 収納に合わせて造作を

「もともと持っていた無印良品の収納を使いたくて、それに合わせてリノベ会社さんに造作してもらいました。廃盤になったパーツを付け替えて使っています。長く使い続けられるものには安心感があります」(写真右のスチールユニットシェルフ・スチール棚セット・小のグレー色は終売。現在はライトグレーが発売中)
9. 空間の余白を保ってくれる、簡素なデザイン

「無印のバケツにハンガー類をまとめて収納しています。蓋をすれば座ることもできますし、部屋に置いていてもシンプルで、空間の余白を担保してくれるデザイン。それは他のアイテムも同様で、その安心感があるから選び続けられるのだと思います」(写真はオールステンレス角型ハンガーで終売。現在はアルミ角型ハンガーが発売中)

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