【商品開発者が語る無印良品】靴下の正しい洗い方

2020年6月26日

あっという間に雨の多い季節がやってきました。
部屋中が洗濯物に埋め尽くされると、気分までどんよりしてしまいますよね。
そんな季節に役に立つ、靴下の洗い方に関するマメ知識をお届けします。

洗濯するときのポイント

  1. 洗う前に、表面についたホコリを叩いて払う(汗などで湿っている場合は乾かす
  2. 洗うときは、裏返す(乾かすときも裏返しのままでOK)
    タテ型の洗濯機の場合は、一番洗浄力の高い底に入れる
  3. 干すときは、はき口を洗濯バサミに挟む(つま先は下、輪になっているところの1か所を挟む)
  4. ガンコな泥汚れは、つけ置き洗いをしてから洗濯する。
  5. ウールやシルクが入った靴下には、中性洗剤を使用してなるべく手洗いをする

では、理由をみていきましょう。

裏返して洗う理由

理由1:
一般的な靴下は、肌に触れる側(内側)にストレッチ性のある糸を使用しています。
この糸はストレッチ性を持たせるために、縮れた形状をしています。そのため、着用しているうちに足の皮膚や角質などのタンパク質汚れが糸に絡んでしまいます。この絡んだタンパク質汚れは、洗剤では落ちにくいため、雑菌が増える温床にもなりやすく、匂いの原因にもなります。裏返して洗うことで汚れが落ちやすくなります。(ストッキングやタイツにも有効です。)

「洗う前に、表面についたホコリを叩いて払う」のも、洗うときに裏返してしまうため、表についている汚れ(主に土やほこり等の粒子汚れ)をできる限り内側に残さないようにするからです。

理由2:
黒やネイビーなど色の濃い靴下は、洗濯を数回繰り返すと少し白っぽくなってきてしまいます。
これは色が落ちているわけではなく、靴下の繊維が毛羽立ってきているからなのです。
裏返して洗うことで洗濯時の摩擦を軽減し、靴下の毛羽立ち(白っぽくなる)を抑えることができます。

はき口から干す理由

洗濯物は上から乾く性質があります。また水分は重力に従って下部へ移動します。
もし、つま先を上(はき口が下)にして干すと、はき口部分まで乾くのに時間がかかり、水分の重みではき口がどんどん伸びてしまいます。また、はき口にストレッチ性を持たせるために使用している糸は、水分で劣化しやすい性質があるため、なるべく早く水分を取り除いてあげることが必要です。塩素系漂白剤を使用してはいけないのも、ストレッチ性のある糸の劣化が進みやすくなってしまう為です。

ガンコな泥汚れには、つけ置き洗いが良い理由

泥汚れは、小さい泥の粒子や砂粒、ホコリなどが繊維の奥に入り込んでしまっている状態です。
その粒子を物理的に繊維の外に押し出す必要があります。また、皮脂などの油分に汚れがコーティングされていることも多いので、油分も取り除く必要があります。40℃以下の水に、ガンコな汚れに強い洗濯石けんを溶かして30分~2時間程度つけ込みます。汚れが特に気になる場合は、靴下を一度水ですすいでから、直接石けんを汚れにこすりつけ、その後石けんを溶かした水につけ込みます。つけ込んだ石けん水ごと洗濯機に入れて洗濯します。

ウールやシルクの入った靴下に中性洗剤を使用する理由

ウールやシルクは、人間の皮膚と同じたんぱく質でできています。アルカリ性の洗剤を使用すると、繊維の表面が傷みやすくなるため、低温の水と中性洗剤を使い、やさしく洗うことで靴下が長持ちします。
また、どちらの繊維も摩擦に弱いので、こすらずに押し洗いをすることがポイントです。

いつも何気なく洗濯している靴下ですが、
衣服の中でも特に汚れやすく、雑菌が繁殖しやすいアイテムです。
正しく洗って干すことで、匂いの原因となる汚れを落とし、長持ちさせることができます。