かつて誰かの日常の中で愛用されてきたさまざまな家具や道具たち。手入れをすればまだまだくらしの中で活躍できる——無印良品では、そんな古家具をリペアしてお届けしています。無印良品の資源循環・ReMUJIの取り組みのひとつです。
ReMUJIの古家具の多くは、60〜70年ほど前に実際に使われていたくらしの道具や家具を日本、中国、インドから集めてきたものです。穀物を計っていた枡や洗い桶、椅子やテーブルなどのほかに、門扉や家屋(柱や梁)などの古材をアップサイクルして作った家具や雑貨もあります。どれも永く大切に使われ、一度は役目を終えたものを、また誰かのくらしの中に溶け込むように、丁寧にリペア(修繕)しています。
そのReMUJIの古家具を多く取り扱っているのが、奈良県橿原市にある無印良品イオンモール橿原です。約2500坪の広大な売場に無印良品のほぼすべての商品が並んでおり、なかでも古家具は売り場で存在感を放ちます。
「ヴィンテージや古いものが好きな方はもちろん、そうでない方にも興味を持っていただいています。例えば小学校で実際に使われていた木製の机と椅子は、ご自宅でお子様の学習机にとお買い上げになる方もいらっしゃいます。スツールやコンソールのような小さなものは、インテリアのアクセントに取り入れやすいので人気です」(無印良品イオンモール橿原スタッフ)
使い込まれた味を生かしながら
くらしの道具として安全に使うためのリペア
来店したお客さまが古家具に興味を惹かれるのには、もうひとつ理由があります。売り場に併設して工房があり、古家具のリペアの様子を見ることができるのです。担当者が国内外から買い付けてきた古家具はこの工房で担当のスタッフの手でひとつひとつきれいに整えられます。
「リペアをしていて感じる古家具の魅力は、今のように便利な道具がなかった時代に、技を凝らした手仕事の気配が感じられるところです」と話してくれたのは、リペアを担当するスタッフです。リペアの手順やポイントはマニュアルを作り、スタッフで共有。それをベースにひとつひとつの古家具と向き合い、必要な修繕を施していきます。
「大切なことは、安全に使い続けていただけるようにリペアすることです。例えば、椅子の脚のガタつきやキャビネットの戸が閉まらないなどのように、家具としての機能を失ってしまっている場合は、リペアします。でも、使われてきた中でついた傷などは、危なくなければあえてそのままに残しています。無垢材ですから、カンナをかけるなどすれば、新品のようにきれいな表面にすることはできますが、永くくらしの中で使い込まれてきたからこその味は、そのままに生かしています」
そうやってひとつひとつリペアされて売り場に並ぶ古家具は、それぞれの色味や表情を持ち、その佇まいからはどこか懐かしさやぬくもりも感じられます。
買い付けを担当するスタッフは買い付けの際、「永いあいだくらしに寄り添ってきた家具であり、そしてリペアすることで今のくらしに溶けこんでいくことができる家具であること。使うことに価値があり、感じ良いくらしの役に立つものであること」を念頭に置いていると言います。
「ひとつひとつに、使われていた背景や使っていた人の思いが見えてくるような、それがReMUJIの古家具の魅力だと思います。ご購入いただいたお客さまには『不具合があればいつでも持ってきてください』とお伝えしています。メンテナンスしてあげればまた蘇りますから。ReMUJIの古家具は『資源を無駄にしない』『形あるものを有効に使い、次に繋げていく』という無印良品の思いを表現している存在のひとつなのだと思います」