(閉)イデー東京

【IDÉE TOKYO】第4話 レザーブランドsonorのいま

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イベント・地域情報/イベント

2021/05/07

環境と人にやさしい革でバッグやサコッシュ、スリッパなどを制作されているレザーブランドsonor。このsonorのpop upを4月29日(木)からIDÉE TOKYOにて開催しています。

第4話の今日はsonorのものづくりについてお話しを伺います。
 

●これまでのお話
第1話 sonorのこれまで
第2話 sonorのこれまで
第3話 sonorのこれまで


instagram @sonorsonorsonor


―現在は何名でやってらっしゃるんですか?

(明子さん)
3名です。7月くらいからもう1人入ります。基本的には最終的には裁断から最終的な仕上げまで全ての工程を自分たちでやっています。ただ、数量が多く、コンスタントに出るものに関しては縫製を信頼している職人さんにもお願いしています。

―裁断・洗いはsonorさん自身でやっているのですね。染めるのはどなたがされているんですか?

(明子さん)
染めは墨田にある工場で職人さんにやっていただいています。ARAIは、最終的な仕上げで自分たちで洗いをかけています。
 
 ―自分たちで洗っているとお話しされていましたが、どちらで洗っているのですか?

(明子さん)
アトリエで自分たちで洗って乾燥させています。水に浸して自然乾燥させ、最後に乾燥機を使ってしっかり乾燥させています。
 

―オイルやクリームを塗ったりせずに使っても柔らかくなっていくんですね。

(明子さん)
そうですね、そのまま使っていれば柔らかくなりますし、擦れることで光沢も出てきます。オイルやクリームでメンテナンスした方がきれいにお使いいただくことはできるんですが、日々の道具として使うという意味で、そこまで気張らず日常使いをしてほしいなと思っています。
もちろん定期的にメンテナンスされている方もいます。その方のバッグを見ると、自分もお手入れしてきれいに使うのも良いなって思います。

―お手入れしなくてもいいのは気を楽に持てそうです。

(明子さん)
革のかばんって、大事に気を使ってもつ感覚があると思うんです。もちろんそういう革かばんもあっていいけど、sonorのかばんはエコバッグみたいにどんどん気楽に使ってほしいです。

 

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(sonor定番のARAI_YOKOは製品洗いによる独特な風合いを持つ)

―そう言っていただけると気負わず使いやすいです。sonorのかばんの中で園田さんが好きなものはありますか?

(明子さん)
ARAI YOKOが好きで、自分でもずっと使っています。経年サンプルが必要なのでいろんな色を使ってきました。長くて1年半ぐらい使って、そのあとは取り扱っているお店へ貸し出しています。

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(明子さん)
sonorのかばんは硬かったり、洗いをかけてしわがよっていたりするので、新品の状態を見た方は「どうなっていくの?」と聞きたくなる商品だと思います。経年サンプルがあった方が分かりやすいと思うので、自分たちで使ったサンプルを準備しています。

-ARAI YOKOのどんなところが好きなんですか?

(明子さん)
浅いので荷物が探しやすく意外と収納力があるところです。

(啓太さん)
僕が見てる限り、根本的に使い勝手がいいんだろうなと思います。

(明子さん)
あと、いろんな服装に合わせやすい。スカートでもパンツスタイルでも問題なく使えるところです。今はSOME_YOKOのチャコールを使っています。

―お仕事でも普段でも使いやすいのはsonorの魅力ですよね。真鍮のクリップもかわいいですね。同じYOKOの形でもARAIとSOMEで少し大きさが違うように見えます。

(明子さん)
もともと縮みが発生する製品洗いをしていたのでARAIよりも大きく作っていたんです。 今は革染めにしたのでARAIよりも少し大きい仕上がりになっています。
 

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(SOME_YOKOは、ARAIよりもサイズを少し横に大きく、肩紐も少し長くなっている)

―染める色は園田さんが指定して決められるんですか?

(明子さん)
そうですね。試作しながら、納得のいく3色に仕上げてもらってます。

sonorの豚革はエコレザーで、タンニンなめしを施しています。タンニンなめしは色のバリエーションがあまり多くないので、自分たちの「こういう色があったらいいな」っていう色がラインナップになくて。「こういう色のかばんが欲しいな」と思っていたところに職人さんとの出会いがあったんです。

製品染めというのは、染めてない生成りの革(肌色の革)で、かばんを製作して最後に染色することを言います。製品洗いをすることで独特の質感と色味が出るんです。3年前からネイビー、カーキ、チャコールグレーの3色で始めました。

ただ、これには難点があります。大量の染料に一日漬けて染めるんですが、大量の水分を吸って乾かすことになるので大きさの個体差がとても出るんですよ。
 

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(染色前のピッグスキン。山口産業株式会社のタンニンなめしは動物皮本来のしなやかさと強靭さを活かしている)

(明子さん)
ものによっては3~4センチくらい縮みが出ます。
同じ商品でもサイズにかなりばらつきが出るので、受注がなかなか難しく、去年の終わりくらいから製品染めはやめることにしました。

幸い、革染めして頂ける職人さんが見つかったので、革を染めて頂いてからかばんを製作することにしました。でもシワ感は出したかったので、最後の洗いを自分たちでやることに変えました。

―sonorでものづくりされるときに、こだわっているところはどんなところでしょう?

(明子さん)
使い勝手とデザインの両立ですね。かばんであれば、私はせっかちなので、荷物を探すのに時間かかるのが嫌なんです。

―かばんの中でごちゃごちゃして取り出しづらいのは気になりますよね。

(啓太さん)
バッグはデザインが良いに越したことはないのですが、そうは言っても道具だと思うんです。見た目を気に入って買って満足感を得て頂くこともあるとは思うんですが、使い勝手がよくなければ使わなくなっていくかもしれない。どちらも合わせ持っていれば、より身近なものとして使ってもらえるのではないか。それが理想です。

(明子さん)
かばんは人それぞれに好みの大きさがあると思います。sonorのかばんも、それぞれの好みに合うようにお客様の反応も参考にさせて頂きながら、バリエーションも増えてきました。




<つづく>
 

使い勝手にこだわって、人の繋がりとともにラインナップも広がってきたsonorのものづくり。お洋服にもあわせやすく、きれいな色に染められたsonorのかばんと小物がお店にも並んでいます。次回は、素材への想いとsonorの考える“これから”についてお話を伺います。
 

●つづきのお話
第5話 sonorのこれから

*sonorの商品は以下からご覧いただけます
CORONシリーズ
革のリュックとトートバッグ
革のサコッシュとパスケース
革のスリッパとティッシュケース
 

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