山々に囲まれた豪雪地帯として知られる十日町市。近年は世界的なアートイベント「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ」の開催地域として有名です。松乃井酒造場は十日町市の郊外に1894年に創業しました。
松ノ井酒造場は「チームワークで醸す蔵」と評されています。蔵人の平均年齢は40歳と若く自発的な新しい考え方で工夫しながら「美味しい酒を届けたい」という想いが様々な改善につながっています。
例えば「麴用の洗米の手洗い」にその想いが表れます。確かに洗米、浸水はデリケートな作業ですが並大抵の量ではありません。それを全て手作業で行い、米を割れる可能性を抑え目で見ながら丁寧な作業を行っています。
それ以外にも昔から和釜での蒸米、機械に頼らない麹造り、泊まり込みによるもろみ管理等こだわりは数え切れません。さらに、酒造りには欠かせない温度や時間と戦いながら美味い酒造りを目指しています。
十日町市松代地区は「星峠の棚田」をはじめとした日本有数の棚田が広がる地域で急斜面にある狭い耕作地が多く農機が入れず手間がかかること、高齢化によって生産者の減少で、水田の維持が課題です。
この日本酒の原料米は、大地の芸術祭を運営するNPO法人越後妻有里山協働機構が取り組むプロジェクトの一つ「まつだい棚田バンク」が生産。耕作放棄地となった棚田を受け継ぎ生産された十日町産コシヒカリです。