連休明けの眠気、だるさに。快適な睡眠リズムのつくり方と寝具選びのコツ

菅原洋平さんに聞く睡眠の質を上げるコツ

おたより/ゆらぎに寄り添う。養生日和

2026/05/08

季節の移ろいや、年齢を重ねる中で、日々変わりゆく心と体。そんな誰もに訪れる“ゆらぎ”に耳を傾け、健康をサポートし、“感じ良い”暮らしへと導く養生の知恵を、無印良品からお届けします。連休が明け、日常が戻ってくる5月中旬ですが、何だか心身ともに重だるく、調子が戻らない、なんて人も多いかもしれません。そこで今回は、作業療法士の菅原洋平さんに日中の眠気やだるさを改善するのに有効な睡眠リズムのつくり方と、寝具選びのコツを教えてもらいました。
取材と文・山本加奈 撮影・藤井由依
菅原洋平
菅原洋平さん(作業療法士)
「ユークロニア株式会社」代表。国立病院機構にて高次脳機能障がいや神経難病のリハビリテーションに従事。現在は、東京の「ベスリクリニック」で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行い、メディア監修も多数。主な著書に『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)、『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』(文響社)、『多忙感』(サンマーク出版)など。

睡眠のリズムを安定させる“5時間のコアタイム”

大型連休が終わり、日常が戻ってくる5月半ばごろ。休暇中の生活リズムの乱れや、新生活の緊張が一気に緩み、蓄積していた疲労やストレスがどっと心身に表れやすいこの時季、日中に眠気やだるさを感じるという人は多いかもしれません。

特につらいのが、ランチ後の強い眠気。満腹感が原因と思われがちですが、実は食事が原因ではない可能性も。

「たとえ絶食しても、午後の眠気はやってきます。私たちには、起床から約8時間後(午前6時起床なら午後2時頃)に眠気が強まる『睡眠覚醒リズム』が備わっているからです」と語るのは作業療法士の菅原洋平さん。

「午後の強い眠気を抑える近道は、ランチの内容よりも日々の睡眠のリズムを見直すこと」

そこで意識したいのが、自分が毎日必ず眠っている時間帯『睡眠コアタイム』の把握。たとえば、平日は大体0時〜6時、休日は大体2時〜10時に寝ている人の場合、重なる時間「2時〜6時」の4時間が『睡眠コアタイム』となります。

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1週間の睡眠の例。上図の場合、2時〜6時の4時間が『睡眠コアタイム』となる

この重なる時間が5時間をきると、睡眠の質が下がり、日中もうまく覚醒しないと菅原さんはいいます。

「以前、こちらの記事で説明した通り、脳は予測をする臓器。『睡眠コアタイム』が短くなると、『眠る』と予測した時間帯に眠らなかったり、『目覚めている』と予測した時間帯に眠る、といったことが生じます。

すると、睡眠と覚醒のメリハリがつかなくなります。結果として、もともと眠くなりやすいランチ後の時間に耐え難いほどの強い眠気を感じてしまうのです。

臨床的には、5時間以上の『睡眠コアタイム』を確保できれば、睡眠のリズムは安定すると考えます。逆に、いくら睡眠時間を確保しても、『睡眠コアタイム』とずれていたら眠気の解消にはならないのです。

二度寝の習慣がある人は見直しを。起床後の『まだ眠れる』という感覚は、睡眠の脳波が惰性で出ている状態。思い切って起きてみることで、覚醒と睡眠のメリハリがつきやすくなり、睡眠の質が上がり、総睡眠時間が減っても、日中の頭はスッキリしたと感じられるはず。

無理して毎日同じ時間に起床、就寝することを目指すのではなく、少しでも“重なる時間帯を増やす”ということを意識してみてください」

快眠の鍵は「放熱」にあり

寝具選びも睡眠の質を大きく左右します。そこで鍵となるのが放熱。

無印良品のひんやり綿寝具と、菅原洋平さんに聞く快眠のコツ

「体が熱を放出して、深部体温を下げるのを手伝うのが寝具の大切な役割。寝返りをうったときに、繊維にこもった熱がさっと逃げてくれることが重要です。

おすすめは、綿をはじめとした自然素材など吸放湿性にすぐれた素材。化学繊維を使った接触冷感寝具などは確かに、触れた時のひんやり感が強く、暑い季節には選びがちなのですが、汗を吸いにくい素材のものも。

体の熱を冷ますという人体本来の機能を踏まえると、睡眠の質を高めるには吸放湿性の高い素材の寝具がベターでしょう。パジャマも同様に吸放湿性の高いシルクや綿がおすすめです」

無印良品のガーゼパジャマと、菅原洋平さんに聞く快眠のコツ

睡眠と覚醒にメリハリをつけ、体には放熱の助けを。日中の眠気を上手にコントロールして、連休明けの心身の重だるさと上手に向き合いましょう。

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