こんちには、セントレアスカイタウンです。
セントレアのある知多半島にはたくさんの魅力があり、伝統産業や特産物、まだまだ知らないことだらけです。
私は15年前、常滑市に住み始めましたが、常滑市、そして知多半島って素晴らしい土地なんだなと気づくのに15年かかりました。
土地が素晴らしいということは、そこで土地を大切にしている人たちが素晴らしいということにもこの出会いを通じで学ぶことができました。
このご縁をきっかけに普段の生活ではなかなか知ることのできないここ知多半島の魅力をご紹介していきます。
第一回目の「人から人へ 知多半島のご縁」は「常滑を歩く TOKONAME STORE編」でご縁があり、常滑焼のすばらしさを教えて下さった鯉江優次さんについてお届けしたいと思います。
鯉江さんは、1967年創業の常滑焼窯元「山源陶苑」の3代目。普段はつなぎ姿で工場で常滑焼を作っています。
主に、「常滑を歩く」でもご紹介した、型に押し当てて形を作る「たたら成形」と、型の中に土を流し込む「いこみ成形」という技法で作っており、いこみ成形は石膏(型)が土の水分を吸って厚みができるのだそう。
時間と手間がかかる為、限られた数しか作ることができないので常滑でもこの技法で作っているところは減ってきているのだと話してくれました。
『伝統を継承し、伝統を更新する』
常滑焼はもともと、壺、甕などの道具を主に生産していました。そこから用途や形を変え、近代では茶器や皿などの生産に変化してきました。
伝統を継承していくためには、時代に合わせて更新していくことが必要だと言います。
常滑焼の甕(かめ)もそのひとつ。
茶色のつぼ型だった甕。しかし、大きな甕は時代とともに生産できる会社がなくなってしまい、生産の拠点は海外へと変わってしまいました。
しかし、やはり国産の甕で仕込みたい、外国でなかなか手に入らない調味料を自分で仕込みたい、など、国内外から声が高まり、インテリアに馴染む色合いやスタッキングできる形を一から練り、現代のインテリアの邪魔にならない新しい色、新しいデザインに更新されていきました。
新しい色と言えば、このパステルカラーのシリーズもとてもかわいい。顔料を土に練り込み、素焼きの状態で仕上げています。とても難しい工程がある為、鯉江さんにしかできないのだそう。かわいいだけでなく、さわり心地や口当たりも良く、使えば使うほどに味わい深くなる器です。
『夢は学校給食を常滑焼の器にすること』
地域のものを使って、地域のことを知ることが大切だと言います。
その為の一歩に、常滑焼という伝統産業がある土地で生まれ育った子どもたちに、常滑焼を誇りに思ってほしいと「世界にひとつだけのお茶碗プロジェクト」を行っています。
この取り組みは、小学校の児童に校外学習としてお茶碗を作るというもの。数年に渡って行われており、今までで1700人の子どもたちにお茶碗作りを体験してもらったのだそう。
一校、一校、と参加する小学校が増え、ついに今年度、常滑市内の全ての小学校が参加することになった、と、満面の笑みで話してくれました。
今小学校に通っている子どもたちが社会に出た時、「自分で作ったお茶碗で食べてたよ。」と話題にのぼるような将来を想像するとわくわくします。
「僕は、2年半前小学校でお茶碗づくりをしました。とても楽しかったことを今でも覚えています。自分のお茶碗でご飯を食べると特別な気がして嬉しいです。」
5年目という節目の今年、たくさんの子どもたちの笑顔を集めた写真展も企画しているそう。
やれることではなく、やりたいことをする。
この理念を胸に、子どもたちが地元を誇ることが出来る未来が来るように、今日も駆け回っています。
また、先月行われた常滑市立西浦南小学校を卒業する6年生にフレンチを常滑焼で振る舞う「フレンチプロジェクト」に、常滑焼の器を提供しました。
思いを込めて、児童一人一人の名前を入れ、卒業のお祝いとしてプレゼントしたそう。
大人になった時、生まれ育った地域を思い出してくれるそんなプロジェクトになるといいなと話す鯉江さん。
鯉江さんの話す今、そして未来には、いつも子どもたちの笑顔が見えます。
それも一つ、伝統を継承することなのだと感じました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
常滑焼の鯉江さんからつながるご縁は、フレンチプロジェクトの発起人であり、地元の豊かな食材を愛しそれを伝えるフレンチシェフ、渡邊大佑さんです。
次回の「人から人へ 知多半島のご縁」もお楽しみに。
MUJI to GO セントレアスカイタウン