ゆらぎに寄り添う。養生日和
頭痛やめまいは“滞り”のサイン。ゆるめて、巡らせる漢方視点のセルフケア

2026/04/03
取材と文・高浦彩加 撮影・藤井由依
良品計画 食品部商品開発 お茶担当。総合商社に新卒入社し、過労とストレスで身体を壊したのを機に漢方と出合い、漢方を学ぶために薬学部に再入学。生薬研究室で薬草を栽培しながら研究に励み、漢方や薬草をもっと世の中に広めたいという思いから、現職に至る。
軽い運動とぬるめの入浴で、巡りを取り戻す
漢方では、自然界のあらゆるものは『木』『火』『土』『金』『水』(もっかどごんすい)の5つの要素から成ると考える『五行説』(詳細はこちらの記事を参照)がベースにあります。

この『五行説』に基づき、体の機能(=五臓)や部位、感情、五感、味覚などを分類したのが『五行色体表』で、各季節に起こりやすい不調を理解し、養生法を考えるうえで役立ちます。
『五行色体表』から紐解くと、こちらの記事で解説したように、春は、血を貯蔵し、全身へ巡らせる働きである『肝』に負担がかかり、緊張しやすく、巡りが悪化しやすい季節といえます。

「ただでさえ、心身が緊張しやすいとされている春ですが、新しい環境や人との出会いが増える4月は緊張やストレスがピークに。眼精疲労やイライラといった3月に表れていた『肝』の機能低下による症状がさらに悪化し、『気滞』と呼ばれる状態へとつながっていきます」と織田さん。
「換気をしないと、あたたかい空気が上に溜まって、冷たい空気が下に溜まるのと同じように、巡りが滞ると、熱が体の上のほうに集まりやすくなるんです。それによってめまいや、 頭痛、動悸などの身体症状や、メンタル面での不安定さにつながります」
理由もなくドキドキが続いたり、いつもは気にならないことにイライラしたり……そんな状態が続いていたら、巡りが滞っている証拠。
散歩やストレッチ、ヨガなどゆったりした運動や、入浴など、血流を促し、緊張をリリースするのに役立つ習慣を取り入れましょう。

「お湯の温度が高いと、のぼせやすくなり、熱が上に集まり逆効果になることも。38〜40度程度の少しぬるめのお湯に調整してください」
一日の終わりに湯船に浸かり、深く呼吸をするだけでも、張りつめていた体が少しずつほどけていくはずです。
すっきりした香りが、滞りを流してくれる
手軽に巡りを整えるのに役立つアイテムがフレグランス。春は『五行説』において『木』に該当し、同じく『木』に分類されるレモングラスやオレンジなどの柑橘系の香り、ローズマリーなどのグリーン系の香りは『気滞』の症状におすすめです。

「すっきり感があるかどうかを基準に選ぶと良いと思います。アロマディフューザーやアロマオイルなどを日常に取り入れたり、いつも飲んでいるコーヒーや紅茶の代わりに、ペパーミントやレモングラスといったすっきりした香りのお茶を選択するのも良いでしょう」
香りによって呼吸が深まると、落ち着きを感じられるはず。刺激や変化が多い春は、“ゆるめる時間”を大切にしましょう。
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