ゆらぎに寄り添う。養生日和
疲れやすい時代に。休み上手になるための暮らしの工夫

2026/02/23
取材と文・高浦彩加 撮影・藤井由依
20代の頃、心身の不調から回復する過程でアーユルヴェーダに出合い、国内のクリニックで学びながら自宅での実践をスタート。その後、より深く本質を理解したいとの思いからインドへ渡る。2013年以降は、米国クリパルセンターのアーユルヴェーダ学部にて、継続的に学びを深めている。米国NAMA認定アーユルヴェーダヘルスカウンセラー資格のほか、米国クリパルセンター公認ヨガ教師など多数のヨガ資格も取得。
インド・スリランカ発祥の約5000年の歴史をもつ伝統医学で、食事や呼吸法、マッサージ、ハーブやスパイスなどを用いながら、心と体の健康を維持・増進し、病気を予防することを目指す。アーユルヴェーダでは、人間を含め、自然界のすべてのものが「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」という3つのエネルギー(=ドーシャ)から成ると考える。3つのバランスによって一人ひとりの体質が決まり、季節やライフステージによってもそのバランスが変化する。



変化や情報があふれる現代こそ、休息の見直しを
デジタル化が進み、移動は高速化し、情報は絶え間なく流れ込む——。そんな変化や動きが激しく、刺激が多い現代は、3つのドーシャ(上図参照)のうち、『ヴァータ』の時代といわれています。
『ヴァータ』が増えすぎると、不安や焦り、躁うつ感、過度な緊張によるコリや疲労などにつながるため、現代のライフスタイルでは意識的に十分な休息をとることが大切です。特に、『ヴァータ』が増えやすい冬や更年期は心と体がゆらぎやすいので無理は禁物。
しかし「現代では、いかに速く、いかに成果を上げるかということに重きが置かれていて、休むことの価値が十分に認識されていないように思います」と三浦さんはいいます。
「私が診ているクライアントにも、体が休みを求めているときにきちんと休めていない、そもそも休み方がわからないという人が本当に増えています。
これまで紹介したような『ヴァータ』のケアはもちろん大切なのですが、まずは何かを足すより、しっかり休むことが一番のセルフケアです」。
そこで、三浦さんがおすすめするのが“休むため”のアイテムを自分の周りに置いておくこと。

「横になりやすいソファや柔らかいブランケット、頭を休められるクッション、やわらかな光の間接照明、心が落ち着く香りや音楽。何でも良いので、休むためのアイテムを身の回りに用意して、“休むための環境”をつくっておくと、自然とモードを切り替えられます。
ソファに横になり、肌触りのよいブランケットに包まれて、あえて何もしない時間をつくってみてください」
活力を補う、食事の工夫
『ヴァータ』が増えると心身の健やかさを支える“活力”が減少し、免疫や忍耐力が下がり、病気にかかりやすくなるとアーユルヴェーダでは考えます。
『ヴァータ』が過剰になりやすい冬や更年期だけではなく、出産や転職、引っ越し、大切な人との別れなど、人生の大きな出来事がある時期には“活力”を大きく消耗するため、滋養がある食事をとりましょう。
「あたたかく、潤いのあるスープや、質の良いミルクやおかゆ、海のミルクといわれる牡蠣は“活力”を増やしてくれる食品なので、積極的に取り入れたいですね」
そして、何を食べるかと同じくらい大切なのが、“どう食べるか”。
「休むためのアイテムを揃えるのと同じように、食事をゆっくり丁寧にとろうと思えるようなアイテムを揃えてみてください。

お気に入りの食器やランチョンマットを選んだり、食卓に花を添えたりするのも良いですね。色はアーシーカラーがおすすめ。『ヴァータ』を鎮め、心を落ち着かせてくれますよ」
ちゃんと座って、味わいながら、ゆっくり食べる。それだけで、いつもの食事が滋養の時間に。忙しい毎日の中でも、食べることにきちんと向き合う時間をつくり、ゆらぐ自分をやさしくケアしましょう。
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