防災のプロに学ぶ「地震に強い収納」のつくり方

無印良品_防災のプロに学ぶ「地震に強い収納」のつくり方

おたより/いつものもしも

2026/10/16

突然やってくる大きな地震から、家族の命と暮らしを守るにはどうすればよいでしょうか。
熊本地震を経験した防災収納インストラクターの松永りえさんに、日ごろの暮らしから無理なく始める安全対策と、地震に強い収納づくりのポイントを教えてもらいました。
(取材・文/オカモトノブコ)
熊本在住・無印良品マニアの防災収納インストラクター 松永りえさん
お話を聞いた人:松永りえさん
熊本在住・無印良品マニアの防災収納インストラクター。防災士、整理収納コンサルタントとしての経験や、主婦・母としての視点を生かし、「暮らしに根ざした実践的な防災」のノウハウや考え方をセミナー・SNS・書籍などで幅広く発信。 公式サイト

防災対策は、まず普段の収納を見直すことから

「“防災収納”と聞くと、多額のお金をかけて専用グッズを買い揃えるなどの大がかりな準備をイメージしがち。けれど大切なのは、日々のちょっとした整理・収納から防災を意識していくことです」と松永さん。

「私自身、2016年の熊本地震で大型家電のテレビが倒れたり、ライトが落ちたり、またガラス雑貨は割れて散乱するなどの被害を経験しました。そのいっぽうで、日ごろからきちんと整理・収納をしていた場所ではお皿のひとつも割れなかったんです」

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「この経験から、地震から身の安全や財産を守るためには、普段からの収納がどれほど大切なのかを実感。そして地震が発生したときの避難経路を確保しておくだけでなく、家族全員の7日分の備蓄をストックするスペースも必要です。
まずは“外に出ていたキッチン道具を引き出しに収納する”だけでも、防災対策の第一歩に。ハードルを高く考えすぎず、身近にできることから始めてみましょう」

家の中にひそむ、地震のリスクから身を守るには

「地震から身を守る安全対策の方法としては、グッズや収納を使った“仕組み”と、日ごろの習慣や行動による“訓練”という2つの側面があります。
家の中の“仕組み”づくりでまず大切なのは、次に挙げる3つの原則。そのうえで住まいの環境や家族構成を見極め、避難所に行くか、在宅避難するかを日ごろから考えてシミュレーションしておきましょう」

「倒れない」「落ちない」「移動させない」3つの原則

消防庁が提唱する、家の中でまず徹底すべき地震対策の3原則は、家具や家電が「倒れない」、物が「落ちない」、キャスターが付いた物などを「移動させない・動かない」ようにすること(※)。
※参考 東京消防庁/家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック

無印良品『家具用転倒防止器具』
『家具用転倒防止器具』

「まず、家具や冷蔵庫など大型家電に転倒防止器具を設置するのはマスト。とはいえ震度7クラスの大地震では、常識を超えるようなことが起きる場合もあります。
これらは“逃げる時間を稼ぐために必要なもの”と考え、揺れに耐えてくれている数分間のうちに一刻も早く避難するように意識しておきましょう」

キッチンには危険がいっぱい。防災収納のアイデアと工夫

ここからは、松永さんがおうちの場所やシーン別に実践し、すすめている安全対策や、収納の工夫とアイデアについて教えてもらいましょう。

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「まず家の中でキッチンは、割れやすい陶器やガラス、刃物など、いちばん怪我のリスクが集まる場所なので、扉や引き出しの中に収める“隠す収納”が基本。また、重いものは下の方へしまって全体の重心を低く保つのもポイントです」

キッチンの戸棚

「扉には、できれば揺れても開かないようにロックする耐震ラッチを設置して。難しい場合は、棚板に滑り止めシートを敷くなどで滑り落ちにくくなるように対策してもOKです。
また高い場所には、万が一、落下しても危険のないように、やわらかい素材でできた『やわらかポリエチレンケース』を活用。底の前側2か所には、滑り止めとして100円ショップにもあるクッションゴムを貼り付けています。

そのほか『再生ポリプロピレン入り メイクボックス』や『ポリプロピレン 小物収納ケース』には、ふきんやお茶セットなど、落ちても安全な軽いものを収納しています」

引き出しの中

「カトラリー類は、『ポリプロピレン整理ボックス』で仕分けして整理。組み合わせ自由で引き出しにフィットするので、引き出しの中で動きにくくなります」

無印良品_防災のプロに学ぶ「地震に強い収納」のつくり方

「引き出しの下段は、『スチロール仕切りスタンド』や『ポリプロピレン ファイルボックス』で大皿や大きめのキッチンツール、お弁当箱やレシピ本などを立てて収納。

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包丁などの刃物は出しっぱなしにせず、使ったあとは引き出しや収納扉に設置してある包丁差しに毎回、きちんと収めておきましょう」

寝室・こども部屋の安全を守るために必要なこと

「就寝中、無防備な状態になる寝室は、地震で命を落とす人が最も多い場所だと言います。倒れる危険のある家具は、なるべく置かないようにするのがベスト。スペースの都合で置く必要がある場合は、できるだけ背の低いものを選び、必ず固定しておくようにしましょう」

あかりと足元の安全対策

「夜の地震で停電したときは、真っ暗闇で強い恐怖と不安を感じてしまううえ、懐中電灯を探すためのあかりを見つけることさえ困難に。

無印良品『LED持ち運びできるあかり』
『LED持ち運びできるあかり』

枕元には、『LED持ち運びできるあかり』などのすぐ点灯できて持ち歩けるライトや、停電時に自動点灯するライトなどを常に置いておくようにしましょう。
また、暗闇の中で割れたガラスや破片を踏んでケガをしないように、ベッドサイドには『防災スリッパ』を常備して足元を守る対策も忘れずに」

こども部屋の対策

「大人とこどもでは、目線の高さが異なります。こどもの背丈にかがんで、落ちたときに危険なものがないかを確認して。
また、普段からこどもがよじ登るリスクを考えると、背の高い家具は避けるのがベター。棚の上段に重いものを置くのは避け、よく遊ぶおもちゃと一緒に下段にまとめておきましょう」

暮らしに無理なく取り入れる「防災ストック収納」

「防災用品やストック収納は、まず“どこに”、“何を置くか”を考えるのが最優先。普段の使い勝手も考えて、安全に・いざというときに持ち出しやすい収納グッズを選ぶのがポイントです」と松永さん。

災害対策の必需品として準備しておきたい、さまざまなアイテムを収納するコツやアイデアを教えてもらいました。

防災グッズ・衛生用品

「普段は使わない防災グッズや衛生用品は、持ち出しが簡単な『ポリプロピレン 頑丈収納ボックス』にまとめてベッド横に保管。救急セットやドライシャンプー、マスクやトイレットペーパーなどの中身は年に1回、防災の日などに見直しています。

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頑丈なボックスなので災害時に中身を守れるだけでなく、避難先ではベンチや椅子がわりとしても活躍してくれます」

防災リュックとヘルメット

「防災リュックやヘルメットは押入れの奥などにしまっていると、緊急時にすぐ持ち出すことが難しい場合も。避難時には、すぐ取り出せるようにしておくことが重要です。
そこで我が家では、防災リュックを玄関の靴箱に収納。さらに防災ヘルメットは『やわらかポリエチレンケース』に収納して、その下に置いています。

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見た目もカバーできて、折りたたみ式ヘルメットであれば家族4人分もすっきりコンパクトに収納が可能。このケースは普段はバケツ代わりとしても活用しています」

非常用トイレ・避難用の衣類

「非常用トイレやトイレットペーパーは、『再生ポリプロピレン入り スタンドファイルボックス』に入れてトイレの棚に収納。

無印良品_防災のプロに学ぶ「地震に強い収納」のつくり方

ケースに入れると高くて奥行きのある場所でも取り出しやすく、非常用トイレ50回分がおさまります。在宅避難になったときは、トイレの便器にかぶせて使います」

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また、地震はどんなタイミングでやってくるか分かりません。お風呂場の洗面所には、避難用の下着類や着替えも常備しておくといざというときに安心です」

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