スタッフのいえ
仕切ってすっきり、収まりの良い部屋

2025/08/27
今回は、足元に ポリプロピレン 衣装ケース を入れた 脚付マットレス や スタッキング シェルフ をはじめ、「見た目にも美しく、取り出しやすい収納技」が印象に残る、ハンさんを訪ねました。
集合住宅/ひとり暮らし
文・内海 織加/写真・幸喜ひかり

ハンさん
無印良品のSNS発信やデジタルコンテンツ制作を中心に、デジタル コミュニケーション 領域に携わる。ひとり暮らし。
家具の配置で、空間を分ける。脚付マットレス

ハンさんが暮らす部屋に入ると、入口に近い方から、ワークデスクとダイニングテーブルが置かれ、一番奥にはセミダブルの脚付マットレス。
細長い部屋の形状を生かしたインテリアの配置で、ワンルームを仕事、食事、くつろぎの3つの用途に自然と分けているのが印象的だった。

コンパクトな空間の中にさまざまな要素が入っていても、視覚的にごちゃごちゃして見えないのは、色の選び方。
面として大きくなる家具やファブリックは、できるだけ白と淡い色合いに、家具に使われる木材もオークなど明るい色味に統一することで、意図的に空間の圧迫感を最小限にしているという。



ハンさんの部屋には、行動パターンから生まれた収納や配置も多く見られる。自分の動き方から推測し、最も使いやすい位置に、もののための場所をつくっているのだ。





定期的にものの数を減らしていくという、ハンさん。
なにを手離し、なにを残すのか。その基準は、誰かに見せても恥ずかしくないかどうか、だそう。
「万が一、なにかがあったときに、親や友人に見られても恥ずかしくないよう、部屋もクローゼットも常に整えておこう、という気持ちがあるんです。だから、衣替えのタイミングなどで持ちものを見直すようにしています。
広い部屋ではないし、収納を置ける空間も限られているはずなのに、気がつけばいろんなものが増えていっちゃうんですよね。それこそ、いまある収納からものが溢れそうになったら、持ちすぎている合図。本当は収納できる量の80%くらいに収めたいんですけど、いまは120%です」


飾って楽しむ、隠して収める。スタッキング シェルフ

物件の収納の少なさをカバーしているのは、壁に配置された3段×5列の スタッキング シェルフ。
最初に購入したのは2段だったが、収納できる棚を増やしたくなって、1段を後から追加したそう。
部分的に仕切り板を入れて、グリッドの中を上下の二層で使えるように整えていた工夫も、目を惹いた。

好きなものを飾る、見せ方で遊ぶ、細かいものを収納する、という三つの用途で、グリッドを使い分けているのも興味深い。
隙間なくものを入れるのではなく、部分的に抜けのある置き方をすることで、面としての圧迫感が軽減される。




扉をつけていた棚の中には、メイクやヘアスタイリングの道具がたっぷり収納されていた。細々としたものの整理整頓に役立っていたのは、無印良品のさまざまな収納小物たち。





戸棚にぴったり、中身もすっきり。ファイルボックス

自然光が入る明るいキッチンには、ほとんどものが出ていない。その理由を訊ねると、その答えは「掃除をするのが楽だから」と明快だった。
では、調理器具や食材のストックなどはどこに? というと、すべては戸棚の内側。
仕切棚や仕切りスタンド、ファイルボックス、突っ張り棒などを駆使することで、高さや奥行きを少しも無駄にすることなく、すべてのものが取り出しやすく収まっていた。



「新卒で就職したのが、とある家具メーカー。当時は、常にキッチンの収納や使いかたについて、考えていましたね。そのときの知恵を、いまの住まいにも生かしています」
とハンさん。
「限られた空間の中で、課題を克服するのが楽しいんです」











ハンさんに、無印良品の製品で最も好きなものを訊ねると、「ファイルボックスかな。どんな場所でも相性がいいし、好きなように組み合わせられるのが良いですね」と即答。
たしかに彼女の住まいは、ありとあらゆるところでファイルボックスが活用されている。使いかたや場所に合わせた、大きさや色の選び方も絶妙だ。



これまでも、これからも、側にある。HIROSHIMA アームチェア

ふと、リビングでテーブルと共に置かれていた椅子に目が留まった。
これは、深澤直人氏がデザインした、マルニ木工の HIROSHIMA アームチェア。
無印良品でも一部のお店で取り扱いがあり、ハンさんが最も大切にしている家具だという。
「プロダクトデザインを学んでいた大学時代に、この椅子の存在を知って、曲線の美しさに思わず一目惚れをしました。社会人になったら、いつか買おうと心に決めて、いまの仕事について最初にもらったお給料を奮発したんです。
これは、いまも HIROSHIMA アームチェア の取り扱いがある、マルイ吉祥寺の無印良品で購入したもの。座り心地がとても良いんです」

無印良品との出会いを聞けば、意外にも、日本での大学入試における課題。
リデザインの題材となったLEDライトをきっかけに興味を持ったそう。
そして、現在の家の中にも、学生時代からながく愛用しているものがいくつもある。




ハンさんは、韓国で家具メーカー、MUJI KOREA、そしてメディア制作会社で勤務したのち、7年ほど前に来日した。
韓国で生まれ育ち、韓国と日本の双方でデザインの学位を修めた彼女は、無印良品のどんなところに魅力を感じているのだろう。
「無印良品の商品のほとんどは、機能性がデザインになっているので、説明がいらないんです。そこに美しさや哲学を感じて、良いなと思っていました。
手に取りやすい価格のわりに、素材や手法に手を抜いていないのも好きなところです。韓国では、とある家具メーカーに勤めていたことがあるのですが、そこで高級品に用いられていたテクニックが、スタッキング シェルフ に使われているのを知ったときは、驚きました。仕事で家具製作に携わっていた経験があるから、無印良品の良さをより理解できたのかもしれません」


ファイルボックスひとつとっても、ハンさんは使う場所や使いかたを変えながら、ひとつのものを大事にながく使っていた。
それは、家族からの教えにもとづいて、彼女がこれまで大切にしてきた、ある考えによるもの。
「素材が良くない安価なものを買って、何度も買いなおすより、ずっと使えるものを買った方が経済的にもお得ですし、ながく使う中で愛着がわくほうが良いな、と思っています。
それは、親から『買うときには、良いものを買いなさい。買うときには、後悔がないように考えなさい。買ったら、自分が選んだものだから責任を持って大切にしなさい』と、教えられてきたからかもしれません」
「無印良品のものは良い素材を使っているから、安心して使うことができますし、汎用性が高いから、役割を変えながら使い続けられる。
そういうところが好きだから、こうして愛用しているのだと思います」





