「もったいない」から生まれた、コアラの笑顔 | コアラパン

「もったいない」から生まれた、コアラの笑顔

おたより/軽、快、楽。ロングセラーのひみつ

2026/09/18

日常がより心地良く、楽しくなる。たくさんの人にながく愛されている、無印良品のロングセラー商品はどのようにつくられ、アップデートしてきたかを聞く連載。
今回取り上げるのは、素朴で愛らしい『コアラパン』。1994年の発売から変わらない、形と味わいのひみつを担当者に聞きました。

(取材と文・熊坂麻美 撮影・竹之内祐幸)

無印良品のコアラパン
コアラパン

コアラをかたどった小さなパン。ふんわりした食感とやさしい甘さの“かわいいおやつ”として、子どもから大人まで親しまれています。

コアラブームの“置き土産”を生かして

無印良品のコアラパン

——コアラパンは、どんな経緯から誕生した商品なのでしょうか。

1980年代、コアラが日本に初めてやってきたことをきっかけにコアラブームが起こり、当時はコアラをモチーフにしたお菓子や商品がたくさん作られていました。このブームが落ち着いてしばらくした頃、使わなくなったコアラの型があると、メーカーさんからお話をいただいて。それがとてもかわいくて、このまま眠らせておくのはもったいないんじゃない?ということで商品化が決まり、1994年に『コアラパン』として発売しました。

——商品化にあたって、苦労したのはどんなところでしょうか。

サイズが小さい分、コアラの形を表現するのは苦労しました。生地をきれいに型から抜くのもむずかしいのですが、焼いて生地が膨らんだときにせっかくの顔のデザインがぼやけてしまうのです。型のデザインや切り込みを少しずつ調整して、コアラの形を維持しながら顔もしっかり残るバランスにたどり着きました。
無印良品のコアラパン

ふんわりやさしい味を、長く楽しんでほしい

無印良品のコアラパン

——味わいの面でこだわった点はありますか。

シンプルな素材を選び、やさしい甘さの“飽きのこない味”に仕上げることを大切にしています。酵母を使って発酵させる製法から生まれる、ふんわりした食感も特長です。発売以来、大きくリニューアルはしていませんが、使用する油脂や酵母を変え、味や食感を良くする改良については日々研究を重ねています。
また、卵は使っていないので、アレルギーがあるお子様がいるご家庭から「これなら安心して食べさせられる」という声を多くいただきました。
無印良品のコアラパン

——賞味期限は製造日から51日と一般的なパンより長いんですね。どうやって保存性を高めているのでしょうか。

日持ちを良くするためによく焼菓子などで用いられるのが品質保持剤ですが、独特のアルコール臭が生地に残ることがあるんです。そうなると、コアラパンの持ち味である素朴な味わいを損ねてしまうため、それは使っていません。代わりに生地そのものの配合を工夫し、さらに包装は衛生管理されたクリーンルームで行い、炭酸ガスを充てんすることで、風味を保ちながら日持ちを実現させています。
無印良品のコアラパン

心がゆるむ、形と表情の愛らしさ

無印良品のコアラパン

——発売から30年以上、ながく愛されてきた理由はどこにあると思いますか。

まず、飽きのこないやさしい味わいであること。そしてやっぱり、コアラという見た目のかわいらしさが大きいと思います。パンでこうした動物モチーフの商品は珍しく、お子様が「これ買って!」とお願いしている姿を店頭で見かけるのは、コアラパンならではないかなと。そして大人にとっても、小腹が空いたときにちょうどいいサイズ感ということで、幅広い世代の方に喜んでいただいている実感があります。

——先ほど、コアラの顔のデザインを残す大変さのお話がありましたが、よく見ると膨らみ具合でひとつひとつ表情が微妙にちがいますね。かすかに笑っているコアラもいれば、困っているようなコアラもいて、なんだかほっこりします。

完全に均一にはならないコアラのそれぞれの個性と捉えていただけたら(笑)。
無印良品のコアラパン

——そのままでもおいしいですが、アレンジする楽しさもコアラパンの魅力です。

チーズやハムを挟んでミニサンドイッチにするアレンジが人気です。見た目にもかわいく、お子様にも食べやすいサイズなので、おやつにもぴったり。軽くトーストするのもおすすめです。焼くことで香ばしさが増し、より“パンらしい”味わいになりますよ。
これからも、ふとしたときに思い出して手に取っていただけるような、日常にほんの少しの癒しをお届けできるような、そんな商品であり続けたいです。
無印良品のコアラパン
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